2018年2月21日(水)松本市白金町公民館にて、開催いたしました。
テーマは「フレイルを知っていますか?」でした。
「フレイル」とは、老化に伴い、筋力や活動が衰えた「健康」と「要介護状態」の中間的な状態のことをいいます。要介護に移行するリスクが高いですが、適切なケアを行えば、健常な状態に戻ることも可能と言われています。
講座内容
①介護予防の新キーワード「フレイル」について 田中 美樹保健師
フレイルとは何か、原因とその予防法について、わかりやすくお話いただきました。
フレイルを予防するポイントを紹介いたします。
①運動 いつもより歩幅を広くする・早歩きをする・腕を振る・目的を決めて歩く など、普段の生活にちょっと足して心がける運動で良いそうです。どこの筋肉が伸びているか、動いているか、姿勢も意識するとさらに効果が高まります
②栄養
③かかりつけの歯科医を持つこと 定期的に健診を受けて、むし歯や歯周病、嚥下などのお口の問題を見てもらう。お口の体操もおすすめ
④社会参加 家以外での居場所を作り、役割をもつこと
この4つを普段から心がけることが大切ということでした。
レクリエーションとして、「あんたがたどこさ」を膝をたたきながら歌い、合図で隣の人にものを渡していくというゲームをやりました。
その後の簡単な体操では、身体を伸ばしながらしりとりをしたり、動きながら考える脳トレの要素も加わって、楽しくやりごたえのあるトレーニングになりました。
②身近な食材で簡単!フレイル予防の食生活 吉江 千佳管理栄養士
フレイルの予防法を栄養面から教えていただきました。
要点は、「エネルギーを摂ること」と「タンパク質を摂ること」この2つです。BMI(体格指数)を見てみると、70歳以上の場合、フレイル予防には数値が22.5~27.4と、少し高めの方が良いというデータがあるそうです。
ではまず、「エネルギーを摂ること」について。油を控えていませんか?
油脂は身体を動かすエネルギーにもなりますし、体温を保つ、ホルモンの原料となるなどの役割があるそうです。目安として一日大さじ1杯を摂取してほしいとのことでした。油脂と一言にいっても、ゴマやオリーブ、ココナッツやアボカドなどの食品からも良質の油脂を摂取することができます。紹介していただいた「ちょい足し」アイデアは、「ヨーグルトに練りごまを混ぜる」方法です。ほんのりゴマの風味がして、これならビタミンEやポリフェノールも一緒に摂れておすすめです。
次に「タンパク質を摂ること」について。加齢による筋肉の減少を食い止めるためにも、1回の食事で、「片手にのるくらい」のたんぱく質を摂ることが理想だそうです。例えば鮭なら一切れ、豚ロース肉なら3枚くらいです。
食事で摂れなかったときは間食で補うこともできるので、おすすめ方法として、シーチキンとパルメザンチーズ、ねぎを混ぜて、クラッカーにのせて食べる「カナッペ」を紹介いただきました。チーズやツナ缶、ゆで大豆缶などは、たんぱく質の「ちょい足し」として非常に使いやすいそうです。
手間もいらず簡単なので、実践しやすいですね。
おわりに
介護が必要となった主な原因は、1位 認知症、2位 脳血管障害(脳梗塞など)、3位 高齢による虚弱 だそうです。フレイルに対する適切な知識を持って、自分で実践することにより、要介護状態への移行を防ぐことができます。普段の運動や食生活に「ちょい足し」をして、健康で長生きできる健康寿命を延ばしていきたいですね。
今回の講座は、冷え症予防のホッとティーを飲んだり、試食をしながら参加者の方とたくさんお話しするかたちで進め、積極的に質問もいただいて、充実したものとなりました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございます。
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