2018年10月6日(土)松本市市役所大手事務所2階 松本市市民活動サポートセンターにて開催いたしました。
テーマは「楽楽エクササイズ」「健康UPの食事術」「睡眠力チェック」でした。
講義内容
①(ACTION)「楽楽エクササイズ」
〜音楽で楽しくエクササイズ〜
松本大学 土井 麻弓健康運動指導士
健康を保つためのヒントを「運動」の面からお話ししてくださり、最後にディズニーのリトルマーメイドのテーマとともに会場の皆さんと一体になっってエクササイズをしました。
○運動はなぜ必要?→健康的な生活のために運動は大切
・幼児期の運動神経の発達に大切
・体力がつき風邪を引きにくくなる
・冷え性予防
・生活習慣病予防
・骨の強化
・寝たきり予防
・転倒予防
○自分にあった運動をしましょう!
目的によって運動の種類を変えましょう。
例:ダイエットがしたい方→ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動。膝が痛い方は自転車がお勧め
②(EAT)「食と栄養のセルフケア術」
〜身近な食材で健康UP〜
松本協立病院 吉江 千佳管理栄養士
食べ物から健康でいるためにはどうしたら良いかを講義して頂きました。
☆健康を保つためのキーワードは?
・しなやかな血管
・骨粗鬆症予防&筋力アップ
○健康のキーワード『血管年齢』
動脈硬化が生活習慣病を引き起こすと言われています。
動脈硬化は、加齢・喫煙・かたよった食生活・運動不足などで進行します。
『血管年齢』を若く保つためには、
老化を促進する『糖化』『酸化』を防ぎ、血管と細胞に傷をつけないことが大切です。
○食生活と生活習慣病
・糖質の過剰→中性脂肪&体重の増加
・油脂の過剰→悪玉コレステロール
・塩分の過剰→血圧上昇と血管の酸化(さびつく)
これらに気をつけないと、
高脂血症・糖尿病・高血圧・脳梗塞・心筋梗塞・自律神経失調症・認知症・がんなど、生活習慣病に掛かってしまう危険が高まります。
・糖質の過剰については、意外と飲み物からの糖分摂取量が多いので、気をつけて控えましょう。
『清涼飲料水は常飲しない』ことが大切です。
・次に塩分の過剰についてです
一日の塩分目標量は男性8g、女性7g、高血圧の方は6gです。
減らしていくのには努力が必要です。
塩分は『1度にたくさん摂らない』のがコツです。
和食の定番セットで、たくわん、味噌汁、焼き鮭を朝食に食べるとすると、
たくわん(2g)、味噌汁(2g)、焼き鮭(2.5g)で、6.5gを一食で摂取してしまうことになります。
塩分摂取量を少なく抑えることが大切ですが、
塩味が薄くなると物足りなくなって味気ないのではないかと言う方は、
『酢』を上手に使ってみるといいかもしれません。
・油脂の過剰も気をつけたいところですが、
逆に上手に摂りたい油が、魚油(EPA/DHA)です。
心筋梗塞や脳梗塞の発症率を低下させ、うつ病を予防し、認知症も予防する効果があるとする研究もあります。
魚油(EPA・DHA)を上手に摂るには、
・生(刺身)で摂る
→吸収が良く調理で油を逃さず食べられるので1番おすすめ
・焼く・煮る調理して摂る
→できるだけ油を逃さず調理するのがコツ
・『野菜類』から食べると、野菜はご飯と比べて胃の中に留まっている時間が長いため、消化吸収が穏やかで、食物繊維が余計な糖や油を排泄してくれます。
野菜の他に、海藻、きのこ、こんにゃくなどもよいでしょう。
量は、1食100g以上、両手山盛り1杯を目指してください。
○『筋力年齢』『骨年齢』も食事で改善することができます。
適切な運動・睡眠・栄養で衰弱を予防することが大切です。
・運動と共に毎食タンパク質を摂って筋力をupしましょう。
タンパク食品は『毎食手のひら大』摂ってください。
それぞれ違う栄養素を含むため、色々な種類を偏りなく摂りたいです!
※慢性腎臓病の方はタンパク質を摂りすぎると腎臓に負担がかかるため注意が必要です。
・次に、健康でいるための『骨を作る』ですが、
骨を作るためには必要な栄養素はたくさんあり、食材の組み合わせで骨は作られます。
主な栄養素としては、
・カルシウム…毎日摂りたい骨を作る原料。乳製品など
・ビタミンD…カルシウムの吸収力up。骨を丈夫にする。魚、しいたけなど
・ビタミンK…骨を作り出す力をサポート。わかめ、ブロッコリー、ほうれん草など
・ビタミンB6…骨密度や骨の質を高める。レバー、マグロ、カツオ、鶏むね肉、バナナなど
※ワーファリン(抗凝固剤)を内服中の方はビタミンKの摂取を控える必要があります。
○食の健康情報を色々ありますが、
『健康まんまる◎最大の極意』は、
日本古来の食事形態『一汁三菜』です。
③(CHECK)「睡眠力チェック」
〜毎日ぐっすり眠れていますか?〜
相澤病院 上條 智美保健師
ぐっすり眠るためのコツを、眠りのメカニズムを説明しながらわかりやすく講義して頂きました。
☆睡眠の役割
疲労回復、身体の成長、血液成分の産生、記憶の定着、ホルモンの分泌、新陳代謝・老化防止、ストレス発散、免疫力の向上
☆眠くなる仕組みは?
○自然に眠くなる条件
・疲れたから→「睡眠物質」が溜まっている。
・夜になったから→「体内時計」で眠くなる。
・朝の光が目に入ってから14〜16時間後に睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌され、1〜2時間後に眠気が現れる
☆不眠の原因
①充分に脳が疲れていない→睡眠物質が溜まっていない
②夜になったら眠くなる仕組みを働かせられていない→体内時計が準備できない
③緊張や心配事がある
④身体に異常な感覚がある
※睡眠時無呼吸症候群
:筋肉が緩んだ時、舌の根元がひどく落ち込み上気道が塞がるのを繰り返すため一晩中熟睡できない
※レストレスレッグス症候群(ムズムズ足症候群)
:横になると足がムズムズして不快感が止まらなくなり、なかなか眠りにつけなくなる
☆睡眠の質が上がる「朝・昼・夜」の過ごし方
〈朝〉・毎朝一定の時間に起きる
・起きたら太陽の光を浴びる
・朝食はバランス良くしっかり食べる
〈昼〉・活動的に過ごす
・長い昼寝、夕方以降の居眠りはしない
・休日に「寝だめ」をしない
〈夜〉・激しい運動はしない
・夕飯は就寝前の2時間前までに済ませる
・入浴は38〜41℃のぬるめのお湯に浸かる
・強い光を避ける
〈共通〉・カフェインやアルコールを取りすぎない
☆良眠のための運動・ストレッチ
○習慣的な運動
○就寝前に軽い体操やストレッチ
腹式呼吸には心身をリラックスさせる効果があります。
〜腹式呼吸でリラックス〜
○お腹に手を当て、1、2、3、4とゆっくりお腹を脹めせながら息を吸う。
○おなかに手を当て、5、6、7、8とゆっくり息を吐き出す。
○息は鼻から吸い、口からゆっくり吐く。
☆良眠のための環境〜睡眠環境のつくり方〜
※大切なのは「深部体温」をスムーズに下げること
○室温の目安:夏 25℃程度
冬 17~18℃程度
○湿度の目安:50%程度
○音:40デシベル(静かな住宅街、図書館)〜50デシベル(木々のざわめき、エアコンの音)
○照明:50ルクス程度の豆電球
☆良眠のための寝具
マットは就寝中に寝返りが十分打てること、
枕は首のS字カーブを保ち頭をしっかり支えられることが大切
○ベットマット
・寝返りができる幅…両手を広げた長さ。少なくとも肩幅の2.5倍以上あるものを選びましょう
・適度な反発力…腰が沈むものは避けましょう。手で押して3㎝程度沈む硬さが目安
○布団
・軽さ・保温性・吸湿性…睡眠中はコップ1杯程度の汗をかきます。軽く保温性があることに加え、吸湿性も必要です。
○枕
・首のS字カーブに沿った枕…立った時と同じ姿勢(顔は5度程度なら下向きになっている)になる物を選びましょう。頚椎(頭を支える7つの首の骨)に沿った形のもの。
・枕で頭、首をしっかり支えましょう…頭を搔くのせるのではなく、肩口がつくくらいから首、頭までしっかりと支えられるように当てましょう。布団と肩・首の間に隙間がないように
※枕選びのポイント
・高さ:頚椎に負担がかからず、S字カーブを保てる高さのものを選ぶ
・大きさ:寝返りが十分にできる幅が必要。頭3つ分より長い幅のものを選ぶ
・硬さ:しっかり頭を支えられる硬さがあるものを選ぶ
・形状:中央部が低く、首すじをささえる部分はやや高めで、寝返りで横向きになった時に身体が楽なように両サイドが高くなっているものが理想
・素材:夏は通気性や熱の放出がよく、冬はクビや型を保温しやすいものがお薦めと言うことでした。
④(CHECK)(ACTION)「健康年齢ピック」
信州大学医学部附属病院臨床検査技師
長野県健康年齢ピック委員会
講義の中休みを利用して、新しい試み「健康年齢ピック」を開催いたしました。
血管年齢、体内年齢(体組成計)、骨年齢(骨密度)、肺年齢(呼吸機能)、握力(筋力)を計り、実際の年齢と比べてどのくらい差があるのかで健康年齢を競う催しです。
大変好評でしたが、時間の関係で受けて頂けなかった方もいらっしゃったので、機会を増やしていけたらと考えています。
終わりに
そば祭りのお蔭もあり、大勢の方に講座&健康年齢ピックを受けて頂けました。
参加者の方々、そして講師・年齢ピックの測定を担当してくださった外部の方々のご協力ありがとうございました!