医良人コラム

冬の寒い時期によく耳にする「ヒートショック」。 夏の「熱中症」と並んで市民権を得ている言葉ですが、実は正式な医学病名ではなく、私も学生時代に教わったことがなかったので調べてみました。 「急激な温度変化が体へ及ぼす悪影響」の総称がヒートショック。 暖かい部屋から寒い廊下、脱衣所、浴室、トイレ、寝室などへ移動した際、不整脈や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす危険性を啓発する目的で使われるようになりました。 中でも、命に関わる危険性が高いのが浴槽内での溺水です。 寒い脱衣所や浴室で裸になると、寒さで血管が収縮して血圧が… もっと読む

医良人コラム

「転ばぬ先のスクワット」。 実践されているでしょうか?   本コラム第112回で筋トレと呼吸の合わせ方について触れました。 筋トレは、重力に逆らって力を入れるのが基本動作で、体や重りを持ち上げる時は、息を短めに吐き、下ろす時は、ゆっくりめに息を吸うと、リズムがつけやすく、呼吸を止めないので疲れづらくなります。 また、体や重りを下す際には「ストン」と落とさずに、ゆっくり下ろすことで、上げ下げ時の両方で筋肉に刺激が加わり、よりトレーニング効果が高まります。 具体的にスクワットの場合は、鼻からゆっくり息を吸いな… もっと読む

医良人コラム

今回は、筋力トレーニングの基本種目であり「王様」であるスクワット=下記写真=を紹介します。 なぜスクワットが王様と呼ばれるのでしょう? 筋力トレーニングは、大きな筋肉から鍛えることが基本です。 下半身には大きな筋肉群が集まっているので筋力アップ、体力増強に大変効果的だからです。 具体的には立ち上がる動作では、太ももの前側の大腿四頭筋、お尻の殿筋群、ふくらはぎの下腿三頭筋、しゃがむ動作では、太もも後面のハムストリングスと下半身の大きな筋肉群を効果的に鍛えることができます。 また、歩く際に足を大きく引き上げるための… もっと読む

医良人コラム

インフルエンザワクチンの接種はお済みですか? 新型コロナウイルスの感染対策や行動制限が行われた2021~23年は、インフルエンザの流行も抑えられましたが、ここ2シーズンは罹患数が増えてきており、今年も流行が始まっています。 インフルエンザは、ウイルスや細菌などによって引き起こされる風邪症候群の一つです。 人間に風邪症状を引き起こすウイルスは、数百種類もあります。 その中でインフルエンザウイルスは他のウイルスにはない、大きな特徴が5つあります。 ①感染しやすく流行しやすい 例年1~2月頃に流行します。 日本でのイ… もっと読む

医良人コラム

「オシッコ問題」にお悩みの老若男女の皆さん、骨盤底筋体操に取り組み始めましたでしょうか? まだ最初の1カ月です。 慌てずに骨盤底筋群に上手に力を加えられているかを最も意識して行ってください。 2カ月目に入って、骨盤底筋体操に慣れてからの応用を紹介します。 応用①:椅子に座る、立つ、四つんばいなど、いろいろな姿勢で行ってみましょう。 応用②:力を入れる速さに緩急を付けてみます。 前回紹介した基本は、尿道を5~10秒間、内蔵方向に「ぎゅーっ」と締め付けて、ゆっくり緩めました。 今度は「ぎゅ、ぱっ」と速いリズムのセッ… もっと読む

医良人コラム

若い頃は困っていなかったけれど年齢を重ねるにつれて、多くの方が「オシッコ問題」に悩むようになり、外来診療でもよく相談を受けます。 男性は、排尿後にズボンに染みをつくってしまう「ちょい漏れ」「後漏れ」。 女性は、くしゃみや笑った際に、尿が漏れ出ることが増えてきます。 尿漏れは、外出を控えたり、尿パッドを当てて対策したりするなど「生活の質」を下げる大きな要因になります。 尿漏れの原因は、前立腺肥大や体型、出産歴などが複合的に関与しますが、最も大きな要因の一つが、年齢に伴う骨盤、尿道周辺の筋力の衰え、緩みです。 男性… もっと読む

医良人コラム

朝晩、涼しくなり、14日は「スポーツの日」。 「運動の秋」を実践しやすい季節になりました。   スポーツ庁のホームページに「スポーツ」と言う言葉の由来が紹介されています。 それによると、「由来はラテン語の『deportare(デポルターレ)』という単語。デポルターレは『運び去る、運搬する』の意。転じて『気分転換、元気の回復』。『日々の生活から離れる』気晴らしや遊び、楽しみ、休養といった要素を指します。これらがスポーツの本質であり、人生を楽しく、健康的で生き生きとするものです」(一部略)とあります。 スポー… もっと読む

医良人コラム

「運動の秋」ですが、なかなか重い腰が上がらない方も多いと思います。 運動のよい点や魅力を整理しました。   運動はさまざまな病気の予防や治療に効果的です(第108回)。 運動をすると、心肺機能が向上し、心不全予防につながる。 血管がしなやかになり、動脈硬化による脳梗塞や狭心症などの予防、治療に効果的。 毛細血管が増えて血流が良くなる。 冷え症が改善する。   筋力が付くと疲れづらくなる。 疲れづらくなると行動範囲が広がる。 出合いが広がる。 同じ作業が楽になり、仕事がはかどる。 体力が付くと自信… もっと読む

医良人コラム

前回、紹介しました肩凝り対策の筋トレ「ショルダーシュラッグ」と「ショルダープレス」を2週間続けた皆さん、効果はいかがですか?             以前からショルダーシュラッグを続けていて、前回の記事を読んだ患者さんから「私はダンベルを下ろす時にストンと落としていた。ゆっくり下ろすと書かれているがどうしてだい」とご質問をいただきました。 筋トレは、筋肉に重さという負荷を加え、筋肉を強く鍛えることが目的です。 この患者さんのように、ダンベルをストンと落とし… もっと読む

医良人コラム

肩凝りに効果的な筋力トレーニングを、2種目紹介します。 ショルダーシュラッグ(肩をすくめる運動) ①足を肩幅に広げて立ち、ペットボトルや軽いダンベルを両手に持って、腕を下した状態から始めます。   ②両肩を真上になるべく高く引き上げ、同時に首はすくめます。 2、3秒、肩を上げた状態を保ち、筋肉が「ギューッ」と収縮するのを意識します。   ③ゆっくりと両肩が下がりきる位置まで下ろします。   注意点は、背中が丸まっていると、効果が半減してしまいます。 胸を張ってまっすぐ立ってください。 … もっと読む