認知症

介護が必要となった原因疾患 第1位
死亡の原因疾患(血管性ほかの認知症) 第9位
死亡の原因疾患(アルツハイマー病) 第10位

どんな病気

認知症とは、さまざまな原因で脳の細胞がダメージを受け、働きが低下することによって、記憶力や判断力などさまざまな障害が起こり 日常生活に支障が出る状態をいいます。

高齢化に伴って年々増加していて、2012(平成24)年の統計では 462万人(65歳以上の約7人に1人)でしたが、団塊の世代が後期高齢者となる2025(令和7)年には、約700万人(約5人に1人)にも増えると予測されています。

加齢によるもの忘れと認知症はちがいます。

誰でも年齢とともに、もの覚えが悪くなったり、人の名前が思い出せなくなったりします。

こうした「もの忘れ」は脳の老化による自然なものです。

加齢によるもの忘れ

認知症によるもの忘れ

体験したこと

一部を忘れる

例)朝ごはんのメニュー

すべてを忘れている

例)朝ごはんを食べたこと自体

もの忘れの自覚

ある

ない

探し物に対して

(自分で)努力して見つけようとする

誰かが盗ったなどと、他人のせいにすることがある

日常生活への支障

ない

ある

症状の進行

極めて徐々にしか進行しない

進行する

出典「 政府広報オンライン

原因・症状

認知症の原因として、異常なタンパク質が脳に増えることや、脳梗塞などで脳の神経細胞が減ることにより発症します。

認知症の代表的な疾患

原 因

症 状

アルツハイマー型認知症

最も多いとされる認知症。

大脳の側頭葉「海馬」が萎縮していき、「老人斑」と呼ばれる変化が見られる。

記憶障害(もの忘れ)から始まる場合が多く、他の主な症状としては、段取りが立てられない、気候に合った服が選べない、薬の管理ができないなど。

血管性認知症

脳梗塞脳出血、脳動脈硬化などによって、脳の機能が低下する。

記憶障害や言語障害などが現れやすく、早いうちから歩行障害も出やすい。

レビー小体型

認知症

脳の側頭葉、後頭葉の萎縮や活動の低下による「幻視」が見られる。

幻視や筋肉のこわばり、振戦(無意識の小刻みなふるえ)などのパーキンソン症状を伴う。

前頭側頭型

認知症

前頭葉や側頭葉を中心とした脳の萎縮が見られる。

会話中に突然立ち去る、万引きをする、同じ行為を繰り返すなど性格変化と社交性の欠如が現れやすい。

このほかに、若年性認知症、アルコール性認知症、正常圧水頭症などがあります。

検査

認知機能検査

日時や物の形の認識、簡単な計算、数分前に見た物の記憶などを調べる検査です。

画像検査

CTやMRIなどで脳の萎縮、脳梗塞脳出血の有無などをみる検査です。

神経学的検査

運動機能や神経の働きを調べる検査です。

治療

認知症は根本的な治療法はありません。
そのためにも若いころからの予防活動が大切です。

薬物療法

症状の進行を遅らせる薬、妄想、不眠などの症状を抑えるための薬を服用します。

非薬物療法

今できることを活かして、家庭内での役割など環境づくりを心掛けます。
家族や人との交流、音楽や絵画、囲碁などを楽しむ、散歩など軽い運動を続ける、ペットを飼うなども脳の活性化につながります。
また、家族や周囲の人の対応の仕方によって、行動症状が改善することもみられます。

ホームドクターからのアドバイス

おかしいなと思ったら、まずはかかりつけ医に相談しましょう。

本人の様子を知っている家族の話が役立ちますので、付き添う家族は、あらかじめ普段の様子を整理しておきましょう。

• 最初の異変はいつごろ気づいたのか?、突然に出てきたのか?
• どのようなもの忘れなのか? など

症状が軽い段階のうちに認知症であることに気づき、適切な治療が受けられれば、薬で認知症の進行を遅らせることや、症状を改善することもできます。

認知症の予防
生活習慣の見直し

アルツハイマー型認知症や血管性認知症は、高血圧糖尿病などの生活習慣病との関連がはっきり証明されています。

高血圧の人はアルツハイマー型認知症に3.4倍

糖尿病の人は脳血管性認知症に4.6倍もなりやすいのです。

また、歯周病と認知症との関連にも注目されています。


バランスの良い食生活や、定期的な運動習慣など、普段からの生活管理が認知症の予防につながります。


デュアルタスク(二重課題)

計算、読む、書く、他人とのコミュニケーションをとるなど脳に刺激を与えることは脳の機能低下を防ぎます。

楽しく行うことが脳の活性化に繋がり、脳を働かせることが認知症の予防につながります。

また、2つ以上のことを同時に行うと、より効果的です。

• 歌を歌いながら、洗濯物をたたむ
• ウォーキングしながら、しりとりをする
• メモをとりながら、電話をする

など、まずは好きなことやできることから日常に取り入れてみましょう。

認知症の方の社会参加の場『オレンジカフェ』

孤立しがちな認知症患者や介護者であるご家族の居場所や情報交換の場を提供する目的で、各地で『オレンジカフェ』という催しが開かれています。

『オレンジカフェ』とは、厚生労働省が主導する認知症対策である「新オレンジプラン」にのっとって、講習を受けた市民が開催している場のことです。

講習を受けて認知症サポーターになった方は2017年末で1000万人を越えようとしています。
認知症になったり、介護することになった時のために覚えていてください。

『オレンジカフェ』について まとめましたのでこちらからご覧ください。

もっと調べる

参考リンク

○ 内閣府 政府広報オンライン 知っておきたい認知症のキホン
○ 厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 認知症
○ 日本臨床内科医会 わかりやすい病気のはなしシリーズ 認知症
○ 認知症介護情報ネットワーク(DCnet)
○ エーザイ株式会社 相談e-65.net(そうだんイーローゴ・ネット)

初診に適した科

脳神経内科、精神科、脳外科、老年内科
専門外来がある場合は、もの忘れ外来、認知症外来など

頼りになる病院

かかりつけ医を持ちましょう。
まずはお近くのかかりつけ医の先生にご相談ください。
北信

長野市 長野市民病院

中野市 北信総合病院

東信

上田市 鹿教湯病院

佐久市 佐久総合病院

中信

塩尻市 桔梗ヶ原病院

松本市 城西病院

松本市 中信松本病院

南信

飯田市 健和会病院

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