「信州メディビトネット健康七箇条」第一条 「しっかりと食べる」 単に食事の量をしっかり食べましょうということではありません。 「しっかりと理解して食べる」と、言い換えても良いでしょう。 年齢、性別、体型、体質に持病を加えた個別性(第46回参照)を考慮しながら、それぞれに適した食事を取ることが大事です。 高齢の細身の女性はフレイル、骨粗しょう症予防を目標にして、丈夫な筋肉や骨を保つことを意識し、かつ痩せすぎないように、食事量もしっかりと食べてください。 幼少期から成長期の方もしっかりと食べて… もっと読む
第62回 健康寿命延伸の七箇条
※2021年9月7日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」掲載の記事です) 間もなく「敬老の日」です。 6年前、私が住んでいる町会の敬老会で、健康をテーマに話をしてほしいと依頼されました。 さて、何についてお話ししようかと悩みました。 ある人は、認知症の話を聞きたいかもしれませんし、がんや膝痛のことに興味がある人がいるかもしれません。 思案した結果、どなたにでも共通して知っておいていただきたい、健康寿命を延伸するための要点をまとめた「〇〇町 健康七箇条」(下表)についてお話しすることに決めました。 信州メディ… もっと読む
第61回 恐ろしい「健康負債」
前回の続きです。 図の一番上の青い線は、幼少期からあまり不摂生をせずに過ごしたおかげで、右の縦軸の天命の日を迎えるまで、何の持病もなかった人。 緑色の線は、途中で高血圧などの生活習慣病が出たり、体力が低下し始めたりしたけれど、大病を患わずに生涯を終えることができた人。 紫色の線は、生活習慣病が大病まで至り、人生の後半を人工透析や在宅酸素療法、寝たきりとなって過ごすことになった人。 一番下の茶色の線は、病気によって天命よりも早く、若くして亡くなってしまったことを示しています。 ポイントは二つあります。 ①… もっと読む
第60回 健康度 加齢とともに低下
当コラム第8話で、健康づくりとは言うけれど、実は健康は健康に良いことをすると寿命が延びる「加点方式」ではなくて、不摂生をすることによって天命が短くなっていく「減点方式」であることをご紹介しました。 WHO(世界保健機関)は、日本人では、タバコを吸う人は6.15年、高血圧の人は、5.94年寿命を「損失」していると発表しています。 また、第54話では、過食や運動不足などの不適切な生活習慣から、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が引き起こり、症状はないものの動脈硬化や慢性炎症が静かに進行していくと、やがて脳梗塞や認知… もっと読む
第59回 感染予防の成果
※2021年6月22日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」に掲載された記事です。 1年以上続く新型コロナウイルスの流行によって、コロナによる国内死亡者は1万4000人を超えました。(2021.6.13現在) これにより、昨年のすべての死亡数が増えたのでは?と思われる方もいるかもしれません。 ところが、4日厚生労働省が発表した2020年の年間総死亡数(概数値)は、その前年と比べて8445人減少していました。 死亡数が対前年比で減少するのは、実に11年ぶりのことです。 コロナによる死亡数が増えたのに、全体… もっと読む
第58回 「誰かのために」予防接種
※2021年5月25日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」に掲載された記事です。 高齢者から順次、新型コロナウイルスワクチンの予防接種が始まっています。 一方、ワクチンを打つかまだ迷っているという声も聞きます。 インフルエンザやはしか、風疹のコラムの際に「予防接種は思いやりの心」と紹介してきました。 予防接種は、自分自身だけを守っているわけではありません。 身近にいる家族や友人はもちろん、遠く離れたどこかの誰かの感染を防いでいるのです。 現在国内で使用されているファイザー社製のコロナワクチンは発症予防率… もっと読む
第57回 コロナ予防接種の副反応
※2021年4月27日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」に掲載された記事です。 2回目の新型コロナワクチン(ファイザー社製)を接種して3日目にこのコラムを書いています。 1回目の副反応は、2日ほど続いた注射部位の痛みだけでした。 今回、肩の痛みはむしろ軽かったのですが、翌日の午後から37.1度の微熱と体のだるさが現れて一両日ほど続きました。 厚生労働省が行った先行接種を受けた医療者2万人の調査結果(4月9日版)も同様の報告です。 2回目後に多い副反応は、接種部位の痛みが9割、体のだるさが7割… もっと読む
第56回 コロナ予防接種を受けて
※2021年3月30日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」に掲載された記事です。 新型コロナウイルスワクチン(ファイザー社製)の1回目の接種を受けて、3日目にこのコラムを書いています。 事前の情報通り、翌日、注射部位の痛みが強くなり、少し手が上がりづらくなりましたが、今はほぼ治まっています。 私は花粉症や小児ぜん息の既往症があるアレルギー体質なのですが、何も起きませんでした。 周りの医療関係者達も、注射部位の痛みは大半の方に見られますが、現在のところ特別な副反応が出た人はいません。 1年前にも書きましたが、… もっと読む
第55回 生活習慣が健康の要
生活習慣の話が続くと、当たり前のことで聞き飽きたと感じる方もいらっしゃるでしょう。 しかし、前回の図を見ながら主だった死亡原因や要介護の原因を上にさかのぼると、「不適切な生活習慣」が根源という事実が横たわっています。 皆さん「信州ACEプロジェクト」をご存じですか? 長野県が取り組む健康づくり県民運動の名称で、世界で一番(ACE)の健康長寿を目指す思いが込められています。 AはAct(体を動かす) CはCheck(健診を受ける) EはEat(健康に食べる) を表しています。 「スマートプロジェクト」はいかが… もっと読む
第54回 未来予測「黄色」で止める
患者さんから「先生のコラムにはよく生活習慣病が出てくるけど、どう悪さするんだい?」と質問をいただきました。 ◇ そこで、「生活習慣」から「死亡、要介護」へ至る流れを可視化してみました。 図の上から下に病気は進行していきます。 ◇ ◇ 厚生労働省は生活習慣病を「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群」と定義しています。 具体的に歯、オレンジ色で囲んだ欄の高血圧、糖尿病、脂質異常症などが代表です。 ◇ ポイントは生活習慣病の段階では、まだ痛くもかゆくもないことです。 … もっと読む