「日本人の食事摂取基準 2020年版 」で、50歳以上のタンパク質の目標量
の下限が引き上げられました。
要介護の手前であるフレイルに、タンパク質不足が大きく影響していること
が分かってきたためです。
タンパク質摂取量を20%増やすと、フレイルの発症率が30%下がる研究な
どが複数紹介されています。
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この摂取基準によると1日のタンパク質目標量は、標準身体活動量の成人
男性で約90~130g、同女性70~100g程です。(上限値以上の摂取はよくあ
りません)
まずタンパク質は、3食に分けてバランスよくとることが大事です。一度に
まとめて食べても十分に利用できないことと、体は24時間常につくり替わっ
ているため、毎食タンパク質食材を取り入れる必要があります。
次に、肉100g=タンパク質100gではないことも勘違いが多いポイントで
す。魚類、肉類100g中にはタンパク質をおよそ20g含むと覚えましょう。
大豆製品は、豆腐や豆乳などは水分量で異なりますが、煮豆や納豆は100g
中タンパク質15gが目安です。
また、炭水化物の代表のようなご飯にも、普通盛150gに4gのタンパク質
が含まれています。乳製品や野菜にもタンパク質は含まれます。
まとめますと、お勧めは中心となる動物性、植物性タンパク質食材をバラン
スよく、毎食合計100g以上取り入れる。さらにバラエティを意識した食事
を心がけていると、目標タンパク質量を達成できるでしょう。
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タンパク質は英語では「プロテイン」で、ギリシャ語の「第一の物質」とい
う言葉が語源です。一方、日本では江戸時代にできた言葉で「蛋」は鳥の
卵、すなわち卵白に多く含まれる物質であることから、蛋白質と名付けられ
ました。血となり肉となるタンパク質の重要性は古くから知られていたので
すね。
※慢性腎臓病の方はタンパク質制限が必要な場合があります。かかりつけ医
にご相談ください。
(2022年1月25日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)