今回は、糖質(炭水化物)、脂質、タンパク質の「三角関係」を明らかにします。(下図参照)
まず体を動かす「エネルギー」という観点から見てみます。
前回、即時用の糖質エネルギーが使われず余った場合には、脂質につくり替えられて貯蔵されるとご説明しました。
実は、体を構成する役割のタンパク質にもエネルギーがあります。
糖質と同じように、取りすぎて余ったタンパク質のエネルギーは、脂質に替えられて蓄えられるのです。
食べ過ぎが続くと脂質が増えて、脂肪太りになるのはこのためです。
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逆に、糖質による即時エネルギーが底を尽きそうになると、体は血糖値を一定に保とうとします。
すると、体を構成している脂質やタンパク質を分解して糖質エネルギーをつくり出します。
この現象を、糖が新しく生まれると書いて「糖新生」と呼びます。
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摂取エネルギー不足が続くと、体をつくっているタンパク質と脂質が分解されてしまうのです。
特にタンパク質は、図内にタンパク質に向かう矢印がないように、糖質や脂質からつくり替えることができません。
ここが今回のポイントです。
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以下、まとめです。
糖質は、取りすぎると脂質に変換される。
不足すると体のタンパク質と脂質が分解されてしまうため、適正量の糖質摂取が必要。
脂質は、糖質からもタンパク質からもつくられるので、食べ過ぎると体脂肪が増える。
不足しすぎると結果としてタンパク質が分解される。
タンパク質は、他の栄養素から作り替えることができないため、毎食きちんと取らないと体の構成タンパク質が分解されて体が壊れる。
※理解しやすいように一部簡略に説明しています。
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(2021年11月30日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)
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