医良人コラム

信州メディビトネット健康七箇条の第二条「楽しく運動を続ける」に入りますが、運動や体づくりといえば、本コラム枠で一緒に連載をしている整形外科医の谷川浩隆先生がご専門です。 谷川先生のコラム「動いて健やかに」の内容と食い違ったことを書いてしまって、読者の皆さんを混乱させてはいけないと考え、スクラップ保管していた谷川先生のコラムを読み直しました。 一貫して、バランスの良い食事と適度な運動が健康づくりに大切であることが書かれており、私と同じ趣旨で安心しました。 普段から医師として患者さんに健康づくりの助言をする際、「○… もっと読む

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2月1日は「フレイルの日」でした。 日付を「201」として「フ(2)レ(0)イ(1)ル」と読む語呂合わせで、日本記念日協会に登録されています。 本コラムでは5年前の第22、23回で初めてフレイルを紹介しました。 この間にずいぶん認識が広まり嬉しい限りです。 しかしまだ聞き慣れない方のために改めて紹介します。   フレイルは、虚弱・老衰を意味する英単語「Frailty」から作られた造語です。 要介護と健康の「中間」を表し、高齢になるにつれ、心身の「余力」が少なくなり、転倒などをきっかけに要介護になる危険性が… もっと読む

医良人コラム

おかげさまで、本コラムの第100回を迎えることができました。 ひとえに、ご愛読いただいた読者の皆さんのおかげです。 心から感謝申し上げます。 がんや脳梗塞など、病気になってから病院を受診し、手術や抗がん剤、リハビリなどで苦労が続く患者さんに数多く接する中で、診察室にいるだけでなく、健康情報を発信して、将来病気で悩む人を1人でも予防したいと考え、「信州メディビトネット」の活動を始めたのがちょうど10年前の2014年2月10日。 市民向け健康講座、信州健康かるた、健康年齢ピックなどの健康啓発イベントを行ってきました。 … もっと読む

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健康づくりにおいて、食習慣の改善、運動、禁煙など生活習慣の変更を求められることがしばしばあります。 不健康な現状に至った従来の行動パターンを、将来健康な状態へ導く望ましい行動に変えていくことを「行動変容」といいます。 人の行動(生活習慣)が変容するには、 無関心期→関心期→準備期→実行期→維持期 の5つの段階を通るとされます。     無関心期:自分の問題としてまだ関心がない 関心期:関心を持っているが、まだ先だと思っている 準備期:関心があり準備中 実行期:新しく行動を始めたばかり 維持期:6… もっと読む

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年が改まり、新年の目標を立てた方も多いと思います。   朝早く起きる。 歩いて通勤する。 昼食は丼物、麺類単品を避ける。 毎日スクワットを20回行う。 腹七~八分を守る。 深酒を控えるー。 生活習慣目標は高く設定し過ぎない方が始めやすく、小さな成功の積み重ねが大きな自信につながります。 既に以前から適切な健康習慣を実践できている方は、今年も維持・継続をお願いします。 せっかくの誓いが既に3日坊主になっている方もいるかもしれません。 確立されている行動パターンは、その方にとって楽に過ごせる「結果」であるため… もっと読む

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本コラム第33回で紹介した「細いしめじと太いえのき」の話を覚えていますか?   糖尿病は痛くないのになぜ治療が必要なのでしょう?   治療の目的はさまざまな合併症を予防するためです。   前回お伝えしました、すい臓がんの他に、大腸がん、肝臓がん、乳がんなど様々ながんになりやすくなります。 実は、糖尿病患者が亡くなる原因の第1位は、血管の病気ではなく、がんなのです。 皆さんがなるべく避けたい認知症に2倍なりやすくなりますし、寝たきりにつながる骨折の危険性も同じく2倍に増加します。 免… もっと読む

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先日、一人の患者さんが自宅で息を引き取りました。 膵臓がん(膵がん)でした。 最期まで穏やかに家族と共に過ごすことができましたが、膵がんが見つかってから、わずか4カ月弱という急な旅立ちでした。   膵がんは、進行が早いことで知られています。 膵臓を覆う被膜が他の臓器に比べると薄く、がん細胞が膵臓の外に容易に広がってしまうためです。 膵臓の周りには、血管やリンパ管、神経などが集中しており、転移や腹膜播種など広がりやすいため進行がんで見つかることが多いのです。 大きさが1~2㎝を超えると既に転移している可能性… もっと読む

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前回からの続きです。 2型糖尿病の「インスリン抵抗型」は、インスリンの血糖を下げる作用に抵抗する環境が体内に生まれた人たちです。 インスリンは分泌されているのですが、効果が弱まっているため血糖値が下がりづらくなり、糖尿病を発症するタイプです。 原因は、肥満と過食でしたね(93回参照)。 脂肪細胞からインスリンの働きに抵抗する物質がつくられるためと、高血糖が続くことで「糖毒性」と呼ばれるインスリンの効果が低下した状態になるからです。 高血糖が続いている糖尿病の方の治療を開始し、数週間、血糖値の良い状態が続くと、さ… もっと読む

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1型糖尿病の発症原因は、自己免疫説が有力です。 ある日、自分の体内で自分の膵臓を攻撃してしまう「自己抗体」がつくられるようになってしまいます。 なぜ自己抗体をつくるようになるのかは、まだ分かっていませんが、発熱などの風邪症状の後に1型糖尿病を発症する人がいるため、ウイルス感染症が一つのきっかけと考えられています。 ウイルス自体が膵臓を攻撃することもあれば、風邪のウイルスをやっつけるためにつくられた抗体が、間違って膵臓を攻撃してしまうと推測されています。 思春期に発症する人も多く、インスリンが枯渇するため、生涯にわた… もっと読む

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「糖尿病」という名称が変わるかもしれません。 尿に糖が出なくても血糖値が高い糖尿病の方もいるため、病態を正確に表していないという意見や、患者さんアンケートで病名に「尿」という排せつ物が含まれている点、怠惰な生活をしていると誤解されがちな負のイメージを持たれやすいーなどの意見を基に議論が始まったところです。 糖尿病の原因は大きく5つあり ①1型糖尿病 ②2型糖尿病(インスリン分泌低下型) ③2型糖尿病(インスリン抵抗型) ④膵臓手術後や他の疾患の影響による糖尿病 ⑤妊娠糖尿病です。   ④⑤の解説は省略… もっと読む