医良人コラム

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。 1975年生まれの私は今年、年男です。 これまでの人生を、干支のうさぎの跳躍と、三段跳びに例えて12年ごとに振り返ってみました。 0歳から小学校を卒業する12歳までは、人生を走り出す前の「準備体操」期間でした。 ケガをしないように、毎日楽しく体と心を伸ばしていました。 24歳で信州大医学部(松本市)を卒業するまでは「助走」期間にあたりました。 比較的まっすぐ走ることができたと思います。 そして、社会に飛び出す最初の跳躍「ホップ」を踏み切りました!   … もっと読む

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本コラム第77回で、家庭血圧の平均値が135/85以上が、高血圧の基準であることを紹介しました。       「え!?上の血圧は年齢プラス90じゃないの」という方もいるかもしれません。       それは30年以上前の、しかも根拠のない数字です。 その時代には、医師がそれぞれの経験や考え方によって治療をしており、ばらつきの大きさが問題でした。 そこで、専門家が集まって、世界中の研究成果を検討して現在の標準的な治療法を示す「診療ガイドライン」が作成されるよう… もっと読む

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本コラム69、70回目で紹介した『信州健康かるた=写真=配布プロジェクト』ですが、無事に松本、安曇野、塩尻市、朝日、山形、麻績、筑北、生坂村の小学校、幼保育園、児童センター、こども食堂へ配布を終えましたのでご報告をさせていただきます。 「子どもたちが楽しく繰り返し遊びながら、自然と健康知識を身に付けて、健やかに成長してほしい」と願って、2019年に信州メディビトネットが市民や子どもたち、医療者、医学生、ボランティアなど1000人以上の協力を得て「信州健康かるた」を製作しました。 今回、かるたの印刷・配布費用は、寄付… もっと読む

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冬が近づき寒くなると、血管も縮こまって細くなるため血圧が上昇する季節です。 「寒くなりましたね。最近の自宅での血圧はどのくらいですか?」 「待合室で看護師さんに測ってもらったら145の90でした」 「今朝、家での血圧は135の80でした」 よくある診察室での会話です。 しかし、いずれも医師が期待している答えではありません。   どうしてか分かりますか?   血圧には「診察室血圧」と「家庭血圧」の2種類があります。 診察室血圧とは、医療機関で測定してもらう血圧、家庭血圧は、自宅の家庭血圧計で測… もっと読む

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内陸の長野県では、食料保存のため塩文化が発展してきました。 塩尻市など、塩にまつわる地名も多く見られます。   2016年の国民調査で、長野県男性の1日の食塩摂取量は11.8gで全国第3位、女性は10.1gで堂々の第1位でした! 味が「濃い」ことには、皆さま「うすうす」お気付きと思います。   塩分や血圧と関連の深い脳血管疾患は、日本人の死因第4位、要介護の原因第2位です。 その他にも、心疾患、慢性腎臓病(血液透析)、認知症など死因・要介護の原因上位に、塩分が大きく影響をしています。 前向きに考… もっと読む

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健康のため取り過ぎに注意するべき食材の代表「塩」に注目します。     塩は、国内に4300万人もいるとされる「高血圧」と関連が深いためです。 魚や野菜に塩を振りかけると、水分が出てきますね。 塩は水を引き寄せる力があります。 同様に食事で塩分を取り過ぎると、体内に水分を引き寄せます。 水分が増えると血液量も増えます。 心臓はたくさんの血液を送り出すため、強く拍動しなくてはならず、結果として血圧が高くなるのです。     血圧にどのくらいの力があるか、想像してみましょう。… もっと読む

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骨粗鬆(しょう)症の患者数は、日本全体で約1300万人もいて8割は女性です。 閉経後に女性ホルモン量の減少に伴い急速に骨密度が低下し、女性は60代の5人に1人、80代の5人に3人が骨粗鬆症になります。 誰もが必要になる骨密度の検査結果の見方を覚えましょう。 骨密度はYAM値という、若い人の平均骨密度を100%とした時に、何%に相当しているかという値で判断します。 YAM値が80%を下回ると黄信号、70%を下回ると赤信号、すなわち骨粗鬆症と診断され、治療投薬の開始が検討されます。 女性のYAM値が80%を下回るのは平… もっと読む

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今回は人生百年時代を乗りきるための、体の屋台「骨」を守ってくれるカルシウムと、カルシウムの吸収を促すビタミンDに注目します。   転倒・骨折は、要介護に至る原因の第3位。 その恐ろしさは皆さんも感じていると思います。 寝たきりの主な原因となる大腿骨骨折だけでも、日本全体でなんと年間20万人以上! 今月、私の患者さんも大腿骨骨折で入院される方が続き、とても悲しい気持ちで書いています。 手術をして、数カ月に及ぶリハビリを頑張っても、3人に1人は元通りに歩けなくなるためです。   骨折は、転んだりした… もっと読む

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「98.9g」。   日本人の1日平均果物摂取量です。 100gにわずかに届かず「もう少し」と感じるかもしれませんが、実は全く足りません。1日の果物の摂取目標は200g(可食部)以上です。200gの目安は、リンゴ、ナシ、カキ、モモは各1個、温州ミカン、キウイ、バナナ各2つです。 「一日一個のリンゴで医者いらず」「朝の果物は金」。 野菜と同じく果物には、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、私たち動物の体内ではつくることのできない栄養素が豊富で、がん、高血圧、動脈硬化などの予防効果が認められています。 香りや酸… もっと読む

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「やさいいいさや~」。   松本地域の方言で、野菜の素晴らしさを表現する回文を作ってみました。   タンパク質・炭水化物・脂質に続く5大栄養素「ビタミン」と「ミネラル」を取るのに最適な食材こそが野菜です。 ◇ 私たち「動物」の体内では作ることができない栄養素を、「植物」の野菜から補う必要があります。   野菜の健康メリットは、食物繊維が豊富、悪玉コレステロールや血圧を下げる、脳卒中やがんを予防するなど数えきれません。   「1日350g以上の野菜を食べよう」この目標をご存じの… もっと読む