医良人コラム
24/12/20

第110回 肩凝りの悩み 運動で解決

今回のテーマは、肩凝りのお悩みは、運動で解決しましょうーです。

外来診療でも肩凝りに悩む患者さんは非常に多く、ひどいと筋緊張型頭痛や吐き気を伴って、生活や仕事に支障が出る方もいます。

肩や首の後ろの「凝り」の悩みの根本対策は、前回の膝痛と同様、筋力トレーニングが最も効果的です。


肩こりの発症原因を分析してみます。

第一に、人間は大脳が発達しているため、頭部の重さは5~6㎏あります。

 

人間は垂直に立ち、その頭の重さを細い首が支えてバランスを取り続けているため、首や首の付け根の肩部分には常に負担がかかります。

これが肩凝りの原因です。

すなわちあなたの肩凝りの原因は、あなたの脳が立派で重いからということです。


冗談はさておいて、第二の原因です。

両肩は、ぶら下がっている両腕の重力に常に引っ張られています。

また人間は両手両腕を使って作業をします。

私も今、両手でキーボードを打っていますが、それらを支えている大本は両肩です。

片腕の重さは4~5㎏といわれています。

頭と両腕を合わせると約15㎏。

首と肩は、その重さを常に常に支えながら、さらに動かし続けているのです。

これが第二の原因です。

首や肩周りの筋肉の負担の大きさをイメージできれば、おのずと肩凝りの対策は、頭や両腕の重さに負けない「筋力」を鍛えること以外はないということを理解してもらえると思います。


膝痛と同じく、ストレッチやマッサージは柔軟性を改善したり、血流をよくして一時的に症状を緩和するかもしれませんが、根本対策にはなりません。

湿布や鎮痛剤、注射やサプリメントのような、受け身の対策ばかりでは筋力が向上しないため、肩凝りは慢性化していつまでも悩みは解消されません。

ボディビルダーには肩凝りが少ないといわれます。

肩凝り対策の代表的な筋力トレーニング種目の詳細は、次回ご紹介します。

 

(2024年8月6日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)