「転ばぬ先のスクワット」。
実践されているでしょうか?
本コラム第112回で筋トレと呼吸の合わせ方について触れました。
筋トレは、重力に逆らって力を入れるのが基本動作で、体や重りを持ち上げる時は、息を短めに吐き、下ろす時は、ゆっくりめに息を吸うと、リズムがつけやすく、呼吸を止めないので疲れづらくなります。
また、体や重りを下す際には「ストン」と落とさずに、ゆっくり下ろすことで、上げ下げ時の両方で筋肉に刺激が加わり、よりトレーニング効果が高まります。
具体的にスクワットの場合は、鼻からゆっくり息を吸いながらしゃがみ、口から短く息を吐きながら立ち上がってみましょう。
スクワットはバリエーションが多い種目でもあります。
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まず腰を落とす深さです。
より深くしゃがみ込む方が多くの筋力が刺激されて効果は高まるのですが、バランスを崩して転倒しやすくなり、また膝や腰を傷めやすくなります。
本コラムの読者の皆さんは、完全にしゃがみ込まず、太ももが地面と平行になる深さ程度までにとどめておいた方がよいでしょう。
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次に、足を広げる幅のバリエーションです。
ワイドスタンススクワットは、足幅を肩幅より広げ、爪先を外側に向けて行います(前回のイラスト参照)。
ノーマルスクワットと異なった部位の筋肉が刺激されるので、ぜひ1セット取り入れてみてください。
足幅を狭くするナロースタンスはバランスを取るのが難しいため中級者以上の方にお勧めします。
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最後に、自分の体重の負荷だけでは物足りなくなった方は、ペットボトルやバーベルなどの重りを利用してください。
より下半身の筋肉に負荷がかかるだけではなく、高い位置で重りを安定させるために、両腕や腹筋、背筋、体幹の筋肉群など、全身の筋肉が鍛えられます。
これが「トレーニングの王様」と呼ばれるゆえんです。
(2025年1月21日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)