医良人コラム
25/7/2

第123回 バランス力鍛える運動は

つらい目まいの症状を改善する「前庭リハビリテーション」が近年注目されていると前回紹介したところ、患者さんから、具体的な方法を知りたいという相談がありました。

このコラムでは説明しきれないので「めまい平衡医学会」の前庭リハビリテーションガイドラインを基に公開されている書籍や動画を参考にしてみてください。

ただし、目まい症状が続いて悩んでいる方は一度、耳鼻科に相談してください。

一言で目まいといっても、障害部位や聴力低下といった耳の症状を伴うかなどによって十数種類に分類されます。

中には、目まいのリハビリ効果が少ないタイプもありますので、まずきちんと診断をつけることをお勧めします。

目まい、ふらつきは、体の傾きや加速を感知する内耳の三半規管や耳石器などの衰えによって起こりやすくなります。

なぜバランス力が衰えるか?

答えは筋力と同じく、使わないから衰えるのです。

しかし、片足立ちなどの地道な運動は、根気強く継続することが難しいという問題が根底にあります。

では、楽しく続けやすくて、なおかつバランス力を鍛えるにはどんな運動がよいのか考えてみました。

一つ目はラジオ体操。

改めてこの体操をしてみると気付きますが、頭を前後左右に倒したり上半身をねじったり回転させたり、三半規管を鍛える動作がたくさん含まれています。

ジャンプしたり屈伸したり、下半身の筋力、バランス力を刺激する動作も多く、さすが国民的な体操です。

二つ目はゲートボールやマレットゴルフ。

ボールを打つ姿勢をしてみます。

上半身を傾けて、頭は斜めの角度を保ちながら、目標と自分の足元のボールを数度首をひねって距離を見定めることでしょう。

歩くことで足腰も鍛えられますし、アップダウンのあるコースでプレーするマレットゴルフは、自然と足裏のバランス力が鍛えられます。

(2025年4月8日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)