医良人コラム
25/4/7

第117回 インフルエンザの特徴

インフルエンザワクチンの接種はお済みですか?

新型コロナウイルスの感染対策や行動制限が行われた2021~23年は、インフルエンザの流行も抑えられましたが、ここ2シーズンは罹患数が増えてきており、今年も流行が始まっています。


インフルエンザは、ウイルスや細菌などによって引き起こされる風邪症候群の一つです。

人間に風邪症状を引き起こすウイルスは、数百種類もあります。

その中でインフルエンザウイルスは他のウイルスにはない、大きな特徴が5つあります。

①感染しやすく流行しやすい

例年1~2月頃に流行します。

日本でのインフルエンザ感染者数は年間1500万人にも及ぶと推計され、子どもたちは、学校保健安全法で出席停止になります。


②症状が強い

一般的な風邪症状である鼻汁、鼻づまり、喉の痛み、せきなどに加えて、高熱や頭痛、筋肉痛、倦怠感などの強い全身症状が見られます。

高齢者や持病のある人、乳幼児、妊婦は、肺炎や脳症など重症化し、命に関わることもあります。

③予防ワクチンがある

風邪症状を起こす数百のウイルスのうち、ワクチンで予防できるのは数種類に限られます。

インフルエンザワクチンは発症予防や高齢者の肺炎や入院を減らすことが統計的に分かっています。

④迅速検査キットがある

主に鼻咽頭拭い液を使用して10分前後で診断できます。

この迅速検査キットで調べられる風邪のウイルスも数種類のみです。

⑤治療薬がある

実は、風邪のウイルスの中で治療薬があるウイルスも珍しくごく少数です。

中でも、ワクチン、検査キット、治療薬の3点とも開発されているのは、インフルエンザと新型コロナだけです。

この2つは、流行や重症化しやすいため、特別に対策が練られてきたことが分かります。

 

まだ本格流行前です。

かかりつけ医にご相談ください。

(2024年12月3日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)