2018年9月1日(土)安曇野市豊科交流学習センター「きぼう」にて、開催いたしました。
テーマは「フレイル、ロコモについて」でした。
講座内容
①(CHECK)フレイル、ロコモって何だろう?」
~知っておきたい介護予防の新キーワード~
澤海 明人医師
フレイル、ロコモとは何かわかりやすくお話いただき、さらにロコモになっていないかの状態チェックや、予防のための基本のトレーニングを教えていただきました。
「フレイル」とは、老化に伴い、筋力や活動が衰えた「健康」と「要介護状態」の中間的な状態のことをいいます。要介護に移行するリスクが高いですが、適切なケアを行えば、健常な状態に戻ることも可能と言われています。
そして、フレイルの3つの要素のうち身体的フレイルの中に位置づけられているのが、
ロコモティブシンドローム(略してロコモ):老化や運動器の病気、バランス能力の低下によって背骨や関節が衰え、歩行が困難となった状態 と、
サルコペニア:ロコモの一種で、全身の筋肉が徐々に衰えることで、運動機能が低下し、生活上も問題が起こる状態
要介護にならないためには、「1に適度な運動、2に食事、3に禁煙」がポイントだということです。
サルコペニア対策として、具体的には
• 有酸素運動(遅筋に効く)・強い運動であるレジスタント運動(速筋に効く)を取り入れること
→筋肉を増やすことはもちろん骨への刺激で骨芽細胞が活発になり、骨を強くします。さらに運動を続け、筋肉が増えることで転倒予防にもなります。
• 歳を取って減少していく筋力を補完するためにタンパク質とビタミンDを積極的に取ること。歳を取ったら若い人以上にタンパク質を取ることをお勧めします。ということでした。
ロコモになっていないか7つのチェック項目も紹介いたします
1つでも当てはまる方はロコモの可能性があります
□片足立ちで靴下が履けない
□家の中でつまづいたり、滑ったりする
□階段を昇るのに手すりが必要
□横断歩道を青信号で渡りきれない
□15分位続けて歩けない
□2キログラム程度(1リットルの牛乳パック2本程度)の買い物をして持ち帰るのが困難
□掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど家事のやや重い仕事が困難
ロコモ予防の「基本ロコトレ」
• 開眼片脚立ち 左右1回ずつ×1日3回
• スクワット 深呼吸する速さで5~6回繰り返す
• カーフレイズ 爪先立ちで立つ・戻るを10~20回×2~3セット
•フロントランジ 片脚を踏み込んで沈むを5~10回×2~3セット
高齢になるとサルコペニア、ロコモ、フレイルになる可能性がありますが、
適度な運動とバランスの良い食事、社会参加によってサルコペニア、ロコモ、フレイルは予防・治療が可能だということです。
②(EAT) オーラルフレイル 〜お口から始まる健康づくり〜 飯嶌 康博歯科医師
オーラル(お口の)フレイルについてその原因と予防法を詳しく教えていただきました。
オーラルフレイルではないかと気づくポイントとして、
滑舌の低下、食べこぼし、わずかなむせ、噛めない食品が増えるなどのほんの些細な口腔機能の低下が挙げられます。
オーラルフレイルも早めに気づいて適切な対応をすることで、健康に近づくことができます。
オーラルフレイルを予防するポイントとしては、
• 虫歯や歯周病の治療「8020運動」
→噛めない・噛みづらいを予防してオーラルフレイル予防
• お口の体操です。
お年寄りの死亡原因として多くなっている肺炎の原因の1つである「嚥下障害」、それと食べられなくなる「摂食障害」を予防します。
今回は「あいうべ体操」を紹介していただきました。口の周りの筋肉と舌の筋肉を鍛える効果があります。
①あ:口を大きく開ける
②い:口を横に開ける
③う:口を尖らせる
④べ:「べ〜」と舌をのばす
おわりに
今回の講座は、講義のほか、吉江管理栄養士監修の「フレイル予防のおすすめドリンク」を召し上がっていただきました。
豆乳を使っており、栄養も満点、味も抜群で飲みやすかったです。
フレイルを予防するには毎食片手に1杯くらいのタンパク質が含まれた食品(肉、魚、卵、大豆製品など)を取ることが望ましいとお話しになっていました。
毎食ごとに取ることが難しい場合は、おやつなどでタンパク質をうまく取り入れることも大切です。
ご参加くださった皆さま、ありがとうございます。
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