前回に続き、数ある病気を「重要度」と「頻度」の四象限に分ける整理を続けます。 C・D群は、重要度(命や要介護に関わる病気)の低い病気群です。 大半がここに含まれます。 誤解を恐れずにC・D群との接し方をお伝えします。 ①なった時に考える ②なった時は、医療者に相談する ③A群を忘れない ④悩み過ぎない です。それぞれ解説します。 ー①まだ患っていないさまざまな病気の情報収集は賢明とはいえません。 何をするかと同様に、何をしないかを考えることも重要です。 健康知識を増やしすぎて情報… もっと読む
第49回 健康づくりの「敵」確認
「敵を知り己を知れば百戦危うからず 孫子」。 今回から、健康づくりの「敵」を確認します。 健康づくりの的は、私たちの健康を損なう「病気」です。 しかし一言に病気といっても、数は数え切れず、健康法も掃いて捨てるほどあります。 大切なことを見定めるために「整理」から始めましょう。 病気を四象限に区分けして整理します。 縦軸に病気の重要度、横軸は頻度です。 重要な病気とは、がんなどの命に関わる病気や、脳梗塞などの寝たきり、要介護につながる病気です。 Aは頻度も多く、命に関わる重要度の高い病気… もっと読む
第48回 自分の体質知り対策を
前回のコラム掲載後に「高齢者は太っている方が長生きすると聞いたが」と、質問をいただきました。 確かにそういった研究結果もありますが、長生きと病気予防は別の問題です。 BMI(体格指数)25以上の肥満では、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が悪化して脳梗塞などが起こりやすくなります。 予防できるはずだった病気を抱えながら長生きしても、健康的とはいえませんね。 生活習慣病予防の観点から、どの年代でもBMIの上限値が24・9までと定められているのは、そのような理由からです。 「ちょい太」までに抑えましょう。 ◇◇… もっと読む
第47回 「己=個別性」の分析から
『敵を知り己を知れば百戦危うからず 孫子』 前回に引き続いて「己」についての確認項目です。 ③体型 体型の違いは、おのおの自覚があると思います。 今回は、客観視するための基準としてBMI(体格指数)を覚えましょう。 体重と身長から計算する、肥満や痩せ具合を比較するための国際的な指標です。 BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められます(身長165cm、体重60kgの人のBMIは60÷1.65÷1.65=22)。 自分のBMIを計算してみてください。 日本肥満学会の判定基準=表1=では、18.… もっと読む
第46回 「己=個別性」の分析から
『敵を知り己を知れば百戦危うからず 孫子』 策もなく戦を始めてはなりません。 健康づくりに取り組む際も「敵=健康を害する要因」と「己=個別性」の分析が大事です。 自分に合った健康法を取り入れやすくなり、間違った健康法を避けることができます。 今回は「己」について確認します。 確認する項目は ①年齢 ②性別 ③体型 ④体質 です。 「そんなこと分かっている!」という声が聞こえてきましたが、健康との関係に気付いていない方がしばしば見受けられます。 「食べすぎは良くない」と一生懸命に食事制限に取… もっと読む
第45回 理想の食事へ意識が大切
本コラムで3回(5月26日、6月9日、30日付)にわたって紹介した、食事をはじめとした健康づくりには「バランスとバラエティー」を意識して―という提案に、多くの方より参考になったと反響をいただきました。 一方で、1人暮らしで多様な食材をそろえることが難しい方や、自粛期間中に毎日3度の食事の献立を考えながら作って大変だった方々からは、理想論的だというご指摘もいただきました。 私自身も1人暮らしをしていた際は、どうしても食材数が限られたり、逆に同じ食材が続いたりすることもありました。 しかし、基本的な知識や考え方… もっと読む
第44回 健全な捉え方や考え方を
おかげさまで本コラム44回目です。 4は「し」という音が「死」を連想させるため、日本人が嫌う数字の代表ですね。 かく言う私もふと目が覚めてデジタル時計を見た時に、4時44分だと、何か起こるのではないかと不安に思います。 そんな話をしていたら、ある方が「幸せ」の「し」だと思えば良いと教えてくれました。 事象は同じでも、自分の中で健全な捉え方や考え方に変えればよいのです。 幸せといえば、はるか昔に修学旅行で訪れた奈良県の薬師寺を思い出します。 薬師寺は、故・高田好胤(こういん)元管主の時代からユーモアを交えた法… もっと読む
第43回 普段買わない食材もカゴに
今日はバランスの良い食事をするための合言葉「まごわやさしい」と「さあにぎやか(に)いただく」を意識しながら一緒に買い物をしましょう。 最近、食事の始めに野菜を食べると健康に良いといわれます。 スーパーの野菜コーナーに近い入り口から入って、最初に野菜を選ぶと、野菜メニューが増えそうですね。 まず、旬のゴーヤやミョウガ、次にブロッコリースプラウトを買い物かごに入れてみました。 どうしても食べ慣れた食材を選びがちです。 多様性を大切に、普段は買わないけれど、健康に良さそうな食材を手に取ってみましょう。 コツ コツ… もっと読む
第42回 予防的な処置が大切
(2020年7月21日(火)付MGプレスに掲載されたコラムです) 人生初体験を幾つもしました。 7月5日、所用で大分県の実家に帰省しました。 数日前から活発となった梅雨前線は、既に熊本県で大きな被害を起こしていました。 大分でも広範囲で強い雨が降り続き、周辺地域で避難勧告が出されるたびに、スマホの災害アラートが頻繁に鳴ります。 夜半から一層雨の音が激しくなりました。 実家の前には幅20㍍、深さ4㍍ほどの川があります。 普段の水位は50㌢ほどですが、あまりの雨の量に心配になり、午前5時に川の様子を見に行ったら… もっと読む
第41回 栄養優れた食をみんなで
「さあにぎやか(に)いただく」。 前回の「まごわやさしい」に比べて、知っている人は少ないと思います。 東京都健康長寿医療センター研究所が、健康長寿に関する研究成果をまとめ、2017年に策定した「健康長寿新ガイドライン」の中で、健康に良いと紹介された食品群、魚、(良質な)油、肉、牛乳、野菜、海藻、芋、卵、大豆製品、果物の頭文字を取った言葉です。 まごわやさしいと共通する部分も多いですが、高齢者のやせと栄養不足を防ぐことを主眼にしているため、油や牛乳、肉など、脂質やタンパク質を多く含む食材もあります。 ここでも「バ… もっと読む