「まごはやさしい」 家庭科の授業などで聞いたことがある人も多いと思います。 子どもたちの食育の現場でもよく使われる、健康に良いとされる食品群の頭文字をつなげた言葉です。 ま 豆腐、納豆、味噌などの大豆製品や小豆、黒豆などの豆類 ご ごま、くり、ぎんなん、ナッツなどの種実類 わ わかめ、ひじき、のり、もずくなどの海藻類 や 野菜類 さ 青魚、小魚、鮭、貝などの魚介類 し しいたけ、しめじ、エリンギ、なめこなどのキノコ類 い じゃがいも、さつまいも、ながいも、こんにゃくなどの芋類 音が柔らかくて覚えやすいで… もっと読む
第39回 偏りない食事が健康のカギ
「あなたの体はあなたの食べたものでできている」 「食という字は『人を良くする』と書く」 食事と健康に関する名言はたくさんあります。 人生100年×365日×1日3食=10万回以上にも及ぶ食事は、健康づくりの最大の要因であることは間違いありません。 しかし、食事と健康に関する情報は入り乱れていて、一体全体、何がよいのか分からない人が多いと思います。 第39(サンキュー)回目の感謝を込めて、食事をはじめ、健康情報や行動を取捨選択する際のとっておきの極意をお教えします。 「バランス」と「バラエティー」を意識す… もっと読む
第38回 混乱の時こそ基本が大事
(2020年5月12日(火)付MGプレス掲載のコラム「健康の見つけ方」です) 新型コロナウイルスの感染予防のために始まった行動制限で、ウイルスによる肺炎以外にも、地域の皆さんの健康負担が肉体的にも精神的にも高まっていることを日々実感します。 ― 旅館業の休業を余儀なくされ、将来の不安を紛らわすため、毎日昼間から酒を飲んでしまい、2カ月間で11キロ太り、痛風を起こした男性。 ― 医療機関に行くとコロナに感染するかもしれないと恐れて2カ月間受診せず、降圧薬もなくなり血圧が190台まで上昇してしまったおばあちゃん… もっと読む
第37回 新型コロナ 現時点の対策
(2020年4月21日(火)付MGプレス掲載のコラムです) 前回(2020年3月31日付 第36回)の新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの比較表を参考に、今回は異なる点を確認します。 新型コロナウイルスの質の悪い特徴をまとめると「長い」「高い」「ない」となります。 潜伏期間も有症状期間もインフルエンザと比べると「長い」です。 新型コロナウイルスの潜伏期間は平均5日間と言われます。 潜伏期間が長いと、その間に移動したり、人と会う機会が増えたりするため、ウイルスを拡散させやすくなります。 発症からの… もっと読む
第36回 感染症の心構え 普段から
(2020年3月31日(火)付MGプレス掲載のコラムです) 感染拡大に歯止めがかからない「新型コロナウイルス」について、 感染症の代表であるインフルエンザと比較しながら整理しました。 ※2021年1月24日時点のデータを元に作成。 今後変わる可能性があります。 感染経路は両方とも、飛沫(ひまつ)・接触感染です。 共通点として、ウイルスは小さくて目に見えません。 「見えないけれどそこに居るかもしれない」という考え方と対応が重要です。 感染、拡散予防には、咳(せき)エチケットやマスク、手洗い、アルコール消… もっと読む
第35回 地域の健康を守ろう
あんずちゃんが宿題をしながら嘆いています。 「オトナはいいよね、こんな問題とかなくていいんだもん」。 おじいちゃんが反論します。 「いや、オトナだって問題山積みなんだぞ! 少子高齢化問題、地球温暖化問題、年金問題…」。 あんずちゃんはいつの間にか眠ってしまっています。 (信濃毎日新聞1月14日付「あんずちゃん」) おじいちゃんが心配する社会問題は、深刻化すると全国民の生活に重大な影響を及ぼします。 しかし不安はあっても、今現在はなんともなく過ごせているため先送りされている問題ばかりです。 いよいよ大変な状況… もっと読む
第34回 「信州健康かるた」大会、大盛況
県内の医療従事者らでつくる団体・信州メディビトネットが中心となり製作した「信州健康かるた」のお披露目大会が11日に開かれ、家族連れなど100人以上が参加して大盛況でした。 全国から集まった400以上の標語から、図書館や児童センターなどで人気投票を行い、46点を選定しました。 絵札は子どもたちに描いてもらい、A4サイズに印刷、ラミネートをして大判かるたが完成しました。 ポイントは阿部守一知事をはじめ趣旨に賛同してくれた病院や医師会などの18人・団体が、分かりやすい解説を作ってくれたことです。  … もっと読む
第33回 合併症に苦しむ糖尿病
しめじは「細く」、えのきは「太い」。 「はて、 逆じゃないか?」と、疑問に思われたことでしょう。 キノコの話ではなく て糖尿病の話です。 糖尿病が進行して血糖値が高くなっても、初期にはあまり自覚症状はありません。 しかし、血糖値が高い状態が続くと、将来さまざまな合併症に苦しむことになります。 ・免疫力が落ちるため肺炎やぼうこう炎、歯周病などの感染症に かかりやすくなります。 ・すい臓がん、肝臓がん、大腸がんなどが増えます。 ・骨粗しょう症にもなりやすく、骨折の危険性は約2倍に上昇します。 最も苦しむ… もっと読む
第32回 「膵臓不全」防ぐために
「膵臓(すいぞう)不全」という言葉はあまり聞きませんね。 正しい医学用語ではありません。 しかし、膵臓不全という言葉は「糖尿病」が起こる様子を的確に表している言葉だと思います。 糖尿病は高い血糖値が続いて動脈硬化が進行し、やがて心筋梗塞や慢性腎臓病による透析などを引き起こす生活習慣病の代表です。 高血糖は体や血管に良くありません。 しかし、血糖値を下げてくれるホルモンは、膵臓でつくられる「インスリン」だけしかないのです。 猿人から人類へ進化する数百万年の歴史の中では、食物不足による飢餓に直面することばかりだったため… もっと読む
第31回 医師の診断 患者と温度差
患者さんに「将来○○不全になるかもしれません」と話をする際、 私と患者さんの間に、大きな認識の差を感じます。 私たち医療者は病気の末期に数多く立ち合い、そこに至る段階も知っているため、 健診などの数値の悪い人の将来を予測できます。 そうなってほしくないため「今から気を付けた方がいいですよ」と心から伝えます。 しかし、多くの人は「○○不全」の実感はなく、自分の未来の姿を想像することが困難です。 その溝は仕方ないことです。 このようなときは、その病気を既に経験している患者さんが、 自身の体験を示してく… もっと読む