「さあにぎやか(に)いただく」。
前回の「まごわやさしい」に比べて、知っている人は少ないと思います。
東京都健康長寿医療センター研究所が、健康長寿に関する研究成果をまとめ、2017年に策定した「健康長寿新ガイドライン」の中で、健康に良いと紹介された食品群、魚、(良質な)油、肉、牛乳、野菜、海藻、芋、卵、大豆製品、果物の頭文字を取った言葉です。
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まごわやさしいと共通する部分も多いですが、高齢者のやせと栄養不足を防ぐことを主眼にしているため、油や牛乳、肉など、脂質やタンパク質を多く含む食材もあります。
ここでも「バランスとバラエティー」が重要視されています。
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この言葉には、もう一つの意味が含まれていますね。
にぎやかに食卓を囲みましょう。
「孤食」や「個食」を減らして、家族や友人らと一緒に食事をする「共食」の機会を増やしましょう―
と読み取ることができます。
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下表は、東京大学の研究グループが発表した1800人以上の市民を対象にした食事調査の結果です。
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同居者がいる人が、共食した時の低栄養や低食品多様性(食材数が少ない)の危険度を基準の1とした場合の数値です。
数値が大きいほど危険性が高く、小さければ低いことを示しています。
なんと、最も危険度が高いのは、同居者がいるが1人で食事を取っている孤食の人でした。
次に1人暮らしの孤食で、孤食が栄養面によくない結果を招いていることが分かります。
逆に、1人暮らしでも、共食の機会の多い人は、最も危険度が低いという結果でした。
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今はコロナ禍で制約はありますが、「さあにぎやか(に)いただく」を意識してみましょう。
(2020年6月30日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)
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