医良人コラム
21/12/7

第46回 「己=個別性」の分析から

 

『敵を知り己を知れば百戦危うからず 孫子』

策もなく戦を始めてはなりません。

健康づくりに取り組む際も「敵=健康を害する要因」と「己=個別性」の分析が大事です。

自分に合った健康法を取り入れやすくなり、間違った健康法を避けることができます。

今回は「己」について確認します。

確認する項目は

①年齢

②性別

③体型

④体質

です。

「そんなこと分かっている!」という声が聞こえてきましたが、健康との関係に気付いていない方がしばしば見受けられます。

「食べすぎは良くない」と一生懸命に食事制限に取り組んでいる「痩せた」「高齢」の女性を例にします。

少し高めのコレステロールや血糖値などの生活習慣病を心配しています。

痩せているのに悪玉コレステロールが高いのは、家族性の「体質」や、閉経後の「女性」ホルモンの変化の影響も考えられます。

血糖値が高いのは、血糖を下げるインスリンホルモンの分泌力が弱い「体質」や「年齢」による膵臓(すいぞう)の働きの低下の影響も加わっています。

そんな痩せた方が食事制限を徹底しすぎると、さらに痩せてしまって体力を落としかねません。

むしろ痩せた年配女性は、その年代に見合った栄養をしっかり摂ることで、体力や筋力、骨力を保って、フレイルや骨粗しょう症などに対する介護予防が大事になります。

①年齢

中年期はカロリーオーバーや肥満による生活習慣病やメタボ予防。

高齢期は体力を落とさない介護や寝たきり予防へ目標のギアチェンジ。

②性別

男性は生活習慣病に加えて、65歳以上ではがんにかかる率が女性の2倍にもなります。

女性は、性ホルモンの影響によって骨粗しょう症、高脂血症などになりやすく、体力低下による介護予防策も重要です。

乳がん、子宮がんの女性特有のがんへの注意をお忘れなくお願いします。

次回に続きます。

 

 


(2020年9月29日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)

 

👈第45回 理想の食事へ意識が大切

👉第47回 「己=個別性」の分析から