「信州メディビトネット健康七箇条」の「第一条 しっかりと理解して食べる」のコラムを書きながら、最近、料理をすること自体が健康づくりに大変良いことに気が付きました。
献立を考える、買い忘れのないように食材をそろえる、食材の組み合わせや味付けに頭をひねる、効率のいい手順を考える、火加減を調整する—など、脳トレになるほか、味覚などの感度も鍛えられます。
包丁や鍋を扱い、料理をこぼさないように運ぶなど、細やかで正確な動きが求められ、バランス感覚も鍛えられます。
買い物に出かけると、重い荷物を持って歩くため、有酸素運動と筋トレが同時にできます。
もちろん、薄味に仕立てることは、自分の健康づくりに直結する一方、コロナ禍の制約が少しずつ緩和され「共食」の機会が増えることは、低栄養対策になります(本41回参照)。
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人を招いて手料理を振る舞うとなると、食べてもらう人の好みに加え、持病やアレルギーなどに配慮して献立を考えるなど、脳トレ上級コースです。
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一緒に食べる相手のことを考えると自然と思いやりや、利他、布施の心が生まれるだけでなく、喜ぶ顔を想像しながら準備をするワクワク感や、少しの緊張感は心の健康につながります。
食事が始まれば、楽しい会話の中から、新たな知識や情報が得られるなど、刺激にあふれます。
食べ終わったら、みんなで、「御馳走様(ごちそうさま)」と言って、その料理にかけられた手間を思って感謝のあいさつをしたいものです。
事前の掃除や、後片付けはちょっぴり面倒くさいですが、それも運動と考えて、室内がきれいになれば衛生的にはもちろん気持ちもすっきりします。
既に料理をされている方はぜひ続けてもらい、まだという方は、趣味と実益に、健康づくりも兼ねて料理を始めてみてはいかがでしょうか。
(2023年5月9日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)
👈第84回 社会全体で健康づくり