医良人コラム
21/6/16

第40回 多様な食材 和食の基本

「まごはやさしい」

家庭科の授業などで聞いたことがある人も多いと思います。

子どもたちの食育の現場でもよく使われる、健康に良いとされる食品群の頭文字をつなげた言葉です。

豆腐、納豆、味噌などの大豆製品や小豆、黒豆などの豆類

ごま、くり、ぎんなん、ナッツなどの種実類

わかめ、ひじき、のり、もずくなどの海藻類

野菜類

青魚、小魚、鮭、貝などの魚介類

しいたけ、しめじ、エリンギ、なめこなどのキノコ類

じゃがいも、さつまいも、ながいも、こんにゃくなどの芋類

音が柔らかくて覚えやすいですね。

単なるリストというだけではなくて、食事を作る際に、さまざまな食材を取り入れましょうという、バランスとバラエティーを意識させてくれる言葉でもあります。

また、この言葉は和食の食材の基本を表しているという人もいます。

和食は、五味五色を大切にするそうです。

多様な食材の味や色合いの組み合わせが、おいしく健康的な和食の構成に重要だということなのでしょう。

和食は、2013年にユネスコの世界無形文化遺産に認定されました。

その際、日本政府は和食について

▶多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重

▶健康的な食生活を支える栄養バランス

を、申請理由として挙げています。

ここでもバランスとバラエティーが出てきました。

多様な食材を扱う「和食」こそが、世界有数の長寿国となった日本人の健康をつくってきたといえます。


「からだのための食材大全」(NHK出版)という本には、1200以上の食材の栄養素について解説されています。

このような本で勉強をする人は超上級者です。

一般の人は、「どんな食材にも栄養素はある」という当たり前のことに気付いてもらえれば十分です。

それでも気になる部分に効果があるという食材や健康食品を取りたいという人は、それだけに頼るのではなく、「まごはやさしい」食事を実践した上で「上乗せ」するようにしましょう。

 


(2020年6月9日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)

 

👈第39回 偏りない食事が健康のカギ

👉第41回 栄養優れた食をみんなで