(2020年5月12日(火)付MGプレス掲載のコラム「健康の見つけ方」です)
新型コロナウイルスの感染予防のために始まった行動制限で、ウイルスによる肺炎以外にも、地域の皆さんの健康負担が肉体的にも精神的にも高まっていることを日々実感します。
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― 旅館業の休業を余儀なくされ、将来の不安を紛らわすため、毎日昼間から酒を飲んでしまい、2カ月間で11キロ太り、痛風を起こした男性。
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― 医療機関に行くとコロナに感染するかもしれないと恐れて2カ月間受診せず、降圧薬もなくなり血圧が190台まで上昇してしまったおばあちゃん。
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― 無症状でも、自身の平熱が35度台なのに、36度台が続くためコロナ感染ではないかと心配して受診を繰り返す女性。して受診を繰り返す女性。
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― 熱が出て、病院に行きたくてお願いしたタクシーや救急車に乗車拒否をされたおばあちゃん。
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― リハビリで長期入院中、面会制限が続いているので家族とも会えず、気持ちが落ち込んでしまい、まだまだ回復の見込みがあるのに早期退院を希望するおじいちゃん。
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世間にはコロナ関連の情報があふれ、目や耳を奪われてしまいます。
しかし当たり前ですが、コロナ以外の病気がなくなったわけではありません。
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今日も、多くの人が脳梗塞やがんや大腿(だいたい)骨骨折を起こしています。混乱した時にこそ基本が大事です。
買い物を控えて料理が単調になったり、外出を控えて運動不足になったりしている今こそ、「未来の健康」づくりを意識した食事や運動、睡眠、人との心の交流などを心掛けてください。
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コロナ禍の嵐の中でも、健康づくりにとって良い点がひとつあります。
皆さんの感染症に関する知識が増えたことです。
人生を見つめ直して、健康の大切さを再確認した人も多いと思います。
家にこもる時間が長い今こそ、感染症以外の健康知識にも目を向けて、
嵐が去った後に「長野健民」が増えているように、これからも一緒に学んでいきましょう。
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