医良人コラム
21/1/12

第35回 地域の健康を守ろう

あんずちゃんが宿題をしながら嘆いています。
「オトナはいいよね、こんな問題とかなくていいんだもん」。

おじいちゃんが反論します。
「いや、オトナだって問題山積みなんだぞ! 少子高齢化問題、地球温暖化問題、年金問題…」。

あんずちゃんはいつの間にか眠ってしまっています。

(信濃毎日新聞1月14日付「あんずちゃん」)



おじいちゃんが心配する社会問題は、深刻化すると全国民の生活に重大な影響を及ぼします。
しかし不安はあっても、今現在はなんともなく過ごせているため先送りされている問題ばかりです。
いよいよ大変な状況になってからでは、手遅れになりかねません。

将来を予想しながら最悪の事態を回避するために、早期からの対策が必要という点で、社会問題と生活習慣病は共通しています。

「上医は国を医(いや)す」という中国の古い言葉があります。

目の前の患者さんをしっかりと診療することはもちろん大切だが、医療者も社会問題に目を向ける必要がある―、
ということを示唆する言葉にもとれますが、
「社会の生活習慣病」を治してくれるのは、やはり政治家の力によると考えています。

信濃毎日新聞が行った松本市長選の市民アンケートでは、市民が最も重視する市政課題は「医療・福祉」で54%でした。
新型コロナウイルス肺炎問題で改めて気付かされますが、健康と平和は最優先で守られるべき、人間活動の前提条件です。

医療や福祉の環境を良くしたいと、私たち臨床現場が奮闘するだけではどうしても及ばない部分があります。
政治や行政機関の方針や制度が根底にあるからです。

健康づくりと同様に、良くなってほしいと願っているだけでは叶いません。
未来の地域の健康を守るためにも、あんずちゃんたちが、安心してすやすやと眠っていられるためにも、
政治に関心を持ち、投票という行動を取る市民が増えてほしいと願っています。

(2020年3月10日(火)付MGプレスから)

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