医良人コラム
20/11/4

第33回 合併症に苦しむ糖尿病

しめじは「細く」、えのきは「太い」。
「はて、 逆じゃないか?」と、疑問に思われたことでしょう。


キノコの話ではなく て糖尿病の話です。

糖尿病が進行して血糖値が高くなっても、初期にはあまり自覚症状はありません。
しかし、血糖値が高い状態が続くと、将来さまざまな合併症に苦しむことになります。

免疫力が落ちるため肺炎やぼうこう炎、歯周病などの感染症に
かかりやすくなります。

すい臓がん、肝臓がん、大腸がんなどが増えます。

骨粗しょう症にもなりやすく、骨折の危険性は約2倍に上昇します。

□□
最も苦しむ人が多い合併症は、高血糖により血管が傷む「動脈硬化」が原因となります。
細い血管が詰まったり破れたりすると「しめじ」の合併症が起きます。

...「神経」
□□神経の感覚が鈍くなるため、不快なしびれが続きます。
□□逆に痛みを感じづらくなり、けがや病気に気付かずに治療が遅れる
□□危険性が高まります。
...「目」
□□糖尿病性網膜症によって、年間約3000人が失明しています。
□□成人になってから視力を失う中途失明は大変苦労します。
...「腎臓」
□□毎年およそ4万人が人工血液透析を開始しますが、原因の第1位は糖尿病で、
□□約4割を占めています。
□□

同様に、脳の細い血管でも動脈硬化が進むため、糖尿病では脳血管性知症に2.5倍もなりやすくなります。
太い血管の動脈硬化では、「えのき」の合併症 が起きます。


...「壊疽(えそ)」
□□毎年3000人が壊疽のため、下肢を切断しています。
...「脳卒中」(脳梗塞・脳出血)
...「虚血性心疾患」(心筋梗塞・狭心症)
□□一度死んだ神経細胞や心筋細胞はよみがえることはなく、
□□命に関わり、障害を残す危険性が高まります。

 

予防は、血糖値を上げないために「過食と肥満を避ける」。
いつもの基本に行き着きます。

(2020年2月4日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)

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