(2020年4月21日(火)付MGプレス掲載のコラムです)
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前回(2020年3月31日付 第36回)の新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの比較表を参考に、今回は異なる点を確認します。
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新型コロナウイルスの質の悪い特徴をまとめると「長い」「高い」「ない」となります。
潜伏期間も有症状期間もインフルエンザと比べると「長い」です。
新型コロナウイルスの潜伏期間は平均5日間と言われます。
潜伏期間が長いと、その間に移動したり、人と会う機会が増えたりするため、ウイルスを拡散させやすくなります。
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発症からの期間もゆっくり長い時間がかかることが特徴です。
政府は、体温37・5度が4日間以上続いた場合に医療機関への受診を勧めています。
一般的に、風邪やインフルエンザでは3~4日すると症状が軽快に向かいますが、新型コロナウイルス感染症では1週間以上にわたって症状が続くことが多いため、そこである程度区分けをしたいというのが理由です。
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新型コロナウイルス感染が悪化した場合は平均7日目に入院し、入院後も10日間以上と他の肺炎より長い治療期間がかります。
改善する人は7日目ごろから落ち着いてきますが、ウイルスは1~2週間の長い間、体内に残っています。
症状が出る前も、治まった後も「体内に持っているかもしれないのでうつさない」という心構えを常にお願いします。
感染率、死亡率とも非常に「高く」、新型コロナウイルスに対する予防薬や治療薬は「ない」のです。■
現時点での対策の考え方は、感染者数の増加をなるべく緩やかに、先延ばしすることで、予防ワクチンや治療薬が開発されるまでの「時間を稼ぐ」という戦略を取らざるを得ません。
幾多の感染症を制圧してきた人類の英知を信じながら、代えがたい大切な「命」を守るために、今はウイルスから逃げてください。
※2020年4月21日(火)付MGプレス掲載の「健康の見つけ方」コラムです。受診の目安などは、最新の情報をご確認ください。
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