エイズ・HIV

どんな病気

HIV:ヒト免疫不全ウイルス

エイズ(AIDS):後天性免疫不全症候群(こうてんせいめんえきふぜんしょうこうぐん)

エイズ(後天性免疫不全症候群)はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによって、体の免疫力が低下するために発症する病気です。

ウイルスに感染したからといってすぐにエイズを発症するわけではありません。

ウイルスに感染すると徐々に免疫力が低下して、数年~10年程経過をしたのちに、健康な状態では発症しない様々な病気が起こりやすくなります。

その病気がエイズ指標疾患(23疾患)とされる病気にあてはまると、エイズと診断されます。

参考:厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-07.html

日本全体では2022年で、HIV感染者数は23,863人、エイズ患者数は10,558人、合計で34,421人が報告されています。

また、2022年の新規感染者数は、HIV感染者は632人、エイズ患者数は252人であり、前年よりは減少しています。

長野県では2021年までに、HIV感染者数は342人、エイズ患者数は219人、合計で561人が報告されています。

全世界では推計3900万人のHIV感染者/エイズ患者がおり、年間130万人の新規感染者、約63万人の死者がいるといわれています。

感染

HIVに感染すると、HIVは血液中に存在し、精液、膣分泌液、母乳などに分泌されます。

HIVを含む血液や体液(精液、腟分泌液、母乳)が、他人の粘膜(口腔内、腸管、膣、尿道など)や皮膚の傷に付着することで感染します。

※汗、涙、唾液、尿、便などの体液の接触による感染の可能性はありません。

感染経路

性感染:性行為による感染

血液感染:輸血、薬剤などの注射針の使いまわしによる感染

母子感染:出産、授乳時の感染

現在の日本では性行為による感染が大多数を占めています。

感染力は弱いウイルスで、コンドームを使用しない性行為での感染率は0.1~1%程度です。

もちろん正しくコンドームを使用すると、ほぼ0%です。

参考:おおさかエイズ情報Now 感染確率Check http://www.osaka-aids-now.info/check/

経過・症状

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染

感染初期:HIVが急激に増加
感染後の2~3週間後、発熱や頭痛などのかぜのような症状が数週間続く

無症状期:HIVの量は一旦減り、数年~10年間程度の無症状の期間に入る

エイズ発症:免疫不全が進行し、発症する

「 STD研究所 」より引用

長野県ではおよそ4割の方が「いきなりエイズ」を発症した状態で、初めてHIV感染が見つかっています。

感染初期に見つけることは大変に難しいのですが、無症状期に多くの人に感染を広げないためにも、早期発見が大切になります。

リスクのある性交渉歴のあるかたは、一度はHIV検査を受けていただくことをお勧めいたします。

検査

血液でHIV抗体を検査します。

ウィンドウ・ピリオド
感染初期には、抗体の量が体内でまだ増えていないために、検査では正確な診断ができない時期があります。

抗体が十分増えるまでには4~10週間程度の期間が必要ですので、確実に調べるためには、3か月間経過してから検査をすることが薦められています。

感染が心配な場合は、きちんと時間をおいてから検査を受けましょう。

エイズ・性感染症の相談及び検査の予約・相談
長野保健福祉事務所エイズ専用電話(検査予約・相談)026-225-0812
受付時間:平日8時30分~17時15分

 

検査を受けられる場所
検査は保健所、病院、診療所で受けることができます。

保健所では、匿名・無料で検査を行っています。

名前や住所を知らせる必要はありません。

プライバシーは守られます。

保健所によって検査日が異なりますので、電話などで日時を確認してください。

参考:HIV検査相談マップ

また、長野県内の8つのエイズ治療拠点病院では、無料でHIV迅速検査が受けられます。

その他の一般の病院や診療所では有料ですが、検査を受けることができます。

一部のエイズ治療拠点病院を除いて、病院や診療所ではお名前や住所を伝える必要があります。

治療

薬物療法

• 体の中のウイルス量を抑えて、免疫力を回復、維持していくことが目的です。

• 抗HIV薬を数種類組み合わせて服用します。

 

現在の治療法でも、HIVを体内から完全に除去することはできません。

ただし、現在は治療方法や薬がとても進歩しているのため、薬を飲み続ければ、エイズの発症を抑えて、それまでと変わらない生活ができます。

また、エイズをすでに発症しても、きちんと治療をすれば、HIVの活動を抑えて、エイズ発症前の状態に戻すことができることもあります。

ホームドクターからのアドバイス

日常生活について

HIVは感染力の弱いウイルスですので、日常生活で感染することはありません。

汗、涙、唾液、尿、便などの体液の接触による感染の可能性はありません。

お風呂、トイレ、洗濯、プール、手すり、ドアノブ、お金、咳、くしゃみ、ペット、理髪店、美容院、献血や歯科、はり治療等の医療行為、鍋料理、コップの回し飲み、同じ蚊に刺されるなどでは感染しません。

スポーツなので出血をした際には、きちんと止血をしてから競技を再開することが大切です。

歯ブラシやひげそりの共用は血液が付着している可能性もあるので控えましょう。

HIVと性感染症

HIVに感染してる方は、B型肝炎や梅毒クラミジアなどに感染していることが多く、また逆にすでにクラミジア感染をしていると、HIVへの感染率が高くなることも知られています。

HIVの検査を受ける際には、他の性感染症に感染をしていないかを一緒に確認検査を受けましょう。

HIVと献血

献血では必ずHIV検査を行って、HIV感染をした血液が輸血されないようにしています。

稀ですが感染早期では検査で陰性になる可能性がありますので、検査目的の献血は絶対にやめてください。

医療費について

高額療養費制度、身体障害者手帳、自立支援医療などさまざまな助成制度があります。

医療機関で相談をしてみましょう。

レッドリボン


レッドリボンは、エイズへの理解と支援の象徴として使われています。

レッドリボンは、あなたがエイズに関して偏見をもっていない、エイズとともに生きる人々を差別しないというメッセージです。

このレッドリボンの意味を知り、レッドリボンを身につけることによってエイズをみんなで考えましょう。

 

もっと調べる

参考リンク

長野県 感染症対策 エイズ
厚生労働省 感染症情報 HIV/エイズ予防対策
国立感染症研究所 AIDS(後天性免疫不全症候群)とは
○ API-Net エイズ予防情報ネット
STD研究所 性病についてのお悩み解決サイト

初診に適した科

エイズ拠点病院の血液内科、感染症内科

頼りになる病院

北信

須坂市 長野県立信州医療センター

長野市 長野赤十字病院

東信

上田市 信州上田医療センター

佐久市 佐久総合病院

中信

松本市 信州大学医学部附属病院

松本市 まつもと医療センター

南信

飯田市 飯田市立病院

諏訪市 諏訪赤十字病院

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