死亡の原因疾患 第2位(心疾患)
介護が必要となった原因疾患 第6位(心疾患)
どんな病気
狭心症と心筋梗塞をまとめて「虚血性心疾患」と呼び、日本の三大死因のひとつになっています。
心臓の表面に張りめぐらされた「冠動脈」によって、心筋(心臓の筋肉)へ酸素や栄養が届けられます。
狭心症と心筋梗塞は、いずれも心筋への血液供給が不足して起こる病気です。
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狭心症
冠動脈の血管内が狭くなってしまうことで、心筋への血液供給不足(虚血)が起こった状態
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心筋梗塞
狭心症がさらに進行して、冠動脈が完全にふさがってしまうことで、心筋が壊死してしまった状態
心筋梗塞を起こして、壊死した心筋細胞は生き返ることはありません。
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狭心症は、心筋梗塞の前段階と言えます。
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心臓は血液を肺や全身へ送るポンプの働きをしています。
心臓の働きが低下すると心不全をひき起こします。
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原因
• 動脈硬化
動脈硬化で冠動脈の血管壁にプラーク(余分なコレステロール)がたまって、血管内が狭くなります
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動脈硬化の危険因子
加齢、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、喫煙、肥満など
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症状
• 胸の痛み:胸の中央部から左胸部、胸全体を締めつけられるような痛み
• 放散痛(首、肩、みぞおち、背中、奥歯などに痛みが起こることもあります)
• 動悸、息切れ
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狭心症 |
心筋梗塞 |
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痛みの特徴 |
• 締めつけられる胸の痛み |
• 強烈な胸の痛み • 死を感じるほどの恐怖感 |
痛みの持続時間 |
2-5分と短かく、長くても15分以内 |
15分以上続く |
どんな時に おこる? |
• 階段や坂道をあがったり、体を動かしているとき。 • 寝ているときに、明け方に胸痛発作が起こる異型狭心症というタイプもあります。 • 冠動脈の血流が回復すれば発作症状は治まるため、発作時以外に痛みなどの症状はありません。 |
運動とは無関係に、何の前ぶれもなく起こることも多い |
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検査
問診
自覚症状や、薬の服用、生活習慣、病歴などについて問診します。
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検査
狭心症 |
心筋梗塞 |
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胸部レントゲン 検査 |
変化はみられません。 |
心不全を起こすと心臓が大きく写ったり、肺に水がたまります。 |
心電図検査 |
• 発作が15分以内に消失するため、病院へ着くまでに元の状態に戻ってしまいます。 • 発作時の状態を調べるために、運動をしながら心電図をとることもあります。(負荷心電図) |
特徴的な心電図の変化が現れます。 |
血液検査 |
異常はみられません。 |
心筋細胞が破壊されて細胞から酵素が血液中に漏れてきます。 |
冠動脈造影検査 |
• 冠動脈造影CT検査や、カテーテルと呼ばれる細くて柔らかい管を手足の動脈から心臓の血管内へ送り込み、造影剤を血管内に注入して、冠動脈を撮影します。 |
同左 |
治療
胸痛発作時の治療
• 胸痛発作の時に使う舌下錠(「ニトログリセリン」や「ニトロール」)やスプレーを内服します。
胸痛が改善しない場合には心筋梗塞の可能性もあるため、直ちに専門病院へ連絡してください。
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狭窄部の治療
• 冠動脈形成術(PTCA)
動脈硬化で狭窄した冠動脈を広げる手術です。
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• バルーン療法
先端に風船(バルーン)のついたカテーテルを使って、冠動脈の狭窄部でこの風船をふくらませて広げます。
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• ステント療法
風船で広げた後に再び細くならないように、特殊な金属の筒(ステント)を血管の内部に入れて、内側から補強します。
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安定期の治療
• 薬物療法
「抗血小板薬」、「血管拡張薬」、「ベータ遮断薬」などがあります。
抗血小板薬は、血液が血管内で固まったり詰まったりするのを予防します。
血管拡張薬は、冠動脈を広げて血流をよくする働きとともに、全身の血管も同時に広げて血流を良くして心臓の負担を軽くします。
ベータ遮断薬は、興奮する神経である交感神経の活動を抑えて、血圧を低くし、脈拍数も少なくして、心臓の負担を減らします。
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ホームドクターからのアドバイス
心筋梗塞は処置までの時間とのたたかいです
対処が遅れると、重大な後遺症が残ったり、死に至る恐れのある病気です。
心筋梗塞の発作を疑った際には、迷うことなくすぐに救急車を呼んで、専門医の治療を受けましょう。
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こんな症状に注意!
狭心症
□階段を上がる時や 急いで歩いた時などに、数分間の胸の痛みが起こるが、休むと改善する
□痛みで目がさめたり、明け方の胸の痛みが起こる
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心筋梗塞
□前胸部に激しい痛みが起こり、15分以上続く
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狭心症の場合は、受診した時点ではすでに症状が治まっていることが多いため、正確に医師に伝えられるように、いつ、何をしている時、どのような発作で、何分続いたかなどの情報をあらかじめメモしておきましょう。
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狭心症、心筋梗塞の予防
原因となる動脈硬化を防ぐため、生活習慣を見直しましょう。□
◆食生活
塩分、糖分、脂肪分、カロリーを取り過ぎないようにして、バランスのよい食事を心がけましょう。
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◆禁煙
たばこを吸うと血圧が上がり脈拍が増えます。
たばこの煙には多くの物質が含まれ、特に循環器ではニコチンや一酸化炭素の影響が大きいと言えます。
また血管の内皮にも影響し、血管の収縮、血液凝固、動脈硬化をもたらします。
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◆適度な運動
運動は、肥満をはじめとしたすべての生活習慣病の改善につながります。
毎日の生活の中にとり入れて、軽めの運動から始めましょう。
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◆ストレスを避ける
精神的・肉体的ストレスがかかると、血圧や脈拍数が上昇して心筋梗塞の引き金となります。
気分転換を図るようにして、焦らず・怒らず・のんびりと着実な生活リズムをつくりましょう。
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参考リンク
○ 長野県医師会 けんこうの小径 わたくしたちの健康読本 心臓の病気
○ 日本臨床内科医会 わかりやすい病気のはなし 狭心症
○ 知っておきたい狭心症・心筋梗塞
初診に適した科
循環器内科、内科
頼りになる病院
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