不眠症

どんな病気

不眠症は睡眠障害のひとつです。

「寝つきが悪い」「眠っても目が覚めてしまう」「熟睡できない」などの症状が慢性的に続いて、心身に不調が起きる病気です。

夜間によく眠れないため、日中の眠気や注意力散漫などを伴います。

不眠が続くと、眠ることに対する恐怖やこだわりのために、より不眠が悪化するという悪循環に陥ります。

不眠症はめずらしい病気ではありません。

現代社会はライフスタイルの多様化や高齢化、多くのストレスなどから、成人の約5人に1人は睡眠障害に関する何らかの問題を抱えているといわれています。

睡眠時間には個人差があり、必要な平均睡眠時間は6~8時間ですが、3時間の睡眠で間に合う人もいれば、10時間眠らないと寝足りない人までさまざまです。

健康な人でも年齢とともに必要な睡眠時間は短くなっていきます。

15歳の平均睡眠時間は約8時間ですが、その後20年毎に30分ずつ短くなって、65歳では約6時間と短くなります。

とくに男性は朝型化して、短くなる傾向が強いことがわかっています。

また、季節による変動もあって、冬の方が夏よりも一時間ほど睡眠時間が長くなります。

原因

環境

季節の変り目、引っ越しや枕が変わる、騒音や明るさの影響など

身体

年齢、ホルモンバランスの変化、頻尿、痛みやかゆみ、咳など

心理

悩みや不安、イライラ、緊張などのストレス、睡眠へのこだわりなど

生活習慣

アルコール、ニコチン、カフェイン、入眠前のパソコン・スマートフォン、運動不足など

その他

交替制勤務、時差、薬の副作用など

神経症やうつ病統合失調症など、他の病気によっても不眠の症状が現れることがあります。

症状

• 寝つきが悪い

• 眠りたくても眠れない

• 夜中に何度も目を覚ます

• 朝早く目が覚める

• 眠りが浅い

などの症状が1ヶ月以上続き、日中の眠気、集中力の低下、倦怠感や疲れなど体調不良となって、日常生活に支障をきたします。

分類

入眠障害

寝つきが悪く、なかなか眠れない

中途覚醒

夜中に目を覚ましてしまう

早朝覚醒

朝早く目が覚めてしまい、その後眠れない

熟睡障害

眠りが浅く、朝起きたときにぐっすりと眠った感じがしない

4つに分類される不眠症状のうち、一つだけの症状の人もいれば、複数の症状の人もいます。

検査

問診

心理テスト、睡眠日誌の記録などが用いられることもあります。

• いつ頃から眠れなくなったのか

• どんなふうに眠れないのか

• 寝床に入る時間、眠るまでの時間、起床時間

• 中途覚醒の場合、起きた後に再び寝付くまでの時間

• 睡眠中の状態(いびき、無呼吸の様子など)

• 眠れない以外の症状(頻尿、かゆみ、足がむずむずするなど)

• 日中への影響

• 生活習慣や環境について

参考:国立精神・神経医療研究センター 睡眠医療プラットホーム 簡易睡眠診断 「簡易睡眠チェック」

血液検査、心電図検査、レントゲン検査など

他の病気がないかを検査します。

睡眠ポリグラフィ検査

睡眠そのものに異常があると考えられる場合や、睡眠時無呼吸症候群が疑われる際に行われます。

治療

生活習慣の改善

• 同じ時刻に起床し、朝日を浴びて体内時計をリセットする

日中

• 日中も日光を浴びる

• 散歩や適度な運動をして、からだを刺激する

• なるべく昼寝をしないようにする
もし取るのであれば、午後3時までに30分以内にしましょう。

• 夕方以降にはカフェインを多く含むコーヒーや紅茶などの摂取を避ける

• 寝る前に多量の飲酒や食事をしない

• ぬるめのお風呂にゆっくり入り、心身の緊張をほぐす

• 音楽や読書などで、リラックスした時間をつくる

• 寝る前にパソコンやテレビ、スマートフォンなどのブルーライトや強い光の刺激を避ける

• 部屋の温度や明るさなどを調整して睡眠環境を整える

• 眠くなってから寝床に入る

薬物療法

不眠のタイプによって、睡眠導入剤や効果の長さを組み合わせて使用します。

睡眠導入剤は、着替えや歯磨きなどが終わって、寝床に入る直前に内服しましょう。

抗うつ薬、抗不安薬などが使用されることもあります。

薬の服用は、医師が定めた通りの量と回数を守って、適切に使用することが大事です。

ホームドクターからのアドバイス

眠れないからといって考え込み過ぎないようにすることは大切なことです。

まずは快適な睡眠のために、

• 寝室の明るさや室内温度などの環境を整えてみましょう。

• 寝具も重要です。枕の高さや清潔なシーツなど見なおしてみましょう。

• 規則正しい生活を心がけましょう。

• 適度な運動によるほどよい肉体的疲労は心地よい眠りを生み出してくれます。

うつ病などの初期症状であったり、睡眠時無呼吸症候群などが隠れていることもあります。

近年では、高血圧糖尿病などの生活習慣病との関係にも注目されています。

相談することを躊躇せずに、かかりつけ医や専門医に相談をしましょう。

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参考リンク

厚生労働省 e-ヘルスネット 休養・こころの健康 不眠症
日本臨床内科医会 わかりやすい病気のはなしシリーズ 不眠症
○ 厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014
国立精神・神経医療研究センター 睡眠医療プラットホーム 不眠症

動画

〇 厚生労働省 眠りのメカニズム 快眠のために

初診に適した科

心療内科、精神科、メンタルクリニック、内科、睡眠専門クリニック

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