統合失調症

どんな病気

統合失調症は、さまざまな考えや気持ちがまとまりにくくなってしまう精神疾患です。

幻覚や妄想などの症状が特徴で、気分や行動、人間関係などに影響が出て日常生活に支障をきたします。

原因は脳の機能にあると考えられていますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。

 

約100人に1人がかかるともいわれ、決して特殊な病気ではありません。

思春期から青年期にかけて発症しやすい病気です。

 

早く治療を始めるほど回復も早くなり、適切に継続することで再発するリスクも抑えることができます。

原因

統合失調症の原因はまだはっきりとわかっていません。

 

脳内で情報を伝える情報伝達物質のバランスが崩れることが関係しているのではないかといわれています。

進学・就職・独立・結婚などの人生における大きな変化やストレスなどが、発症のきっかけになることが多いようです。

遺伝子も関与しているといわれますが、単純に遺伝子の問題だけでなくて、環境などさまざまな要因が関与していると考えられています。

症状

①統合失調症の症状は多岐にわたりますが、大きく3つに分けられます。

陽性症状

幻覚や幻聴、妄想、思考の混乱 など

陰性症状

気分の落ち込みや意欲の減退、引きこもり など

認知機能障害

集中力や記憶力、判断力の低下 など

※ 初期や軽症の場合、うつ病などの他の疾患の症状か、正常の範囲内なのかの判断が難しいため、きちんと精神科を受診することがすすめられます。

②発症の経過

前兆期

発症の前触れとして、不眠、イライラする、集中力の低下、強い不安や焦りなどの状態が続きます。

しかし誰もがよく経験することなので、本人も周囲も気づかないことが多いです。

急性期

不安や緊張感が極度に強くなり、幻覚や妄想といった症状が目立ちます。

頭が混乱し行動にも影響が及ぶため、周囲とのコミュニケーションに支障が出てきます。

回復期

治療により幻覚や妄想などの強い症状は治まっていきますが、意欲の減退、不安感や焦りなどは続きます。

まだ元気の出ない時期なので、辛抱強く待つ姿勢が大切です。

安定期

少しずつ症状が治まり元気が出てきます。

すっかり元に戻る場合や、無気力や認知機能の低下などの症状が残り社会生活に影響を与える場合もあります。

適切なリハビリテーションを続け、再発防止に努めることが大切です。

予後

治癒したり軽度の症状のみを残す良好な状態の人は統合失調症の約半数といわれ、多くの人が自立した社会生活を送っています。

近年の新しい薬や心理社会的療法の充実により、今後さらに良い予後が期待できます。

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検査

精神科では、以下の検査をもとに総合的に診断します。

1.診察所見:本人の訴え、性格、経過、生活環境、既往症など

2.家族からの情報:周囲から見た生活や行動、成育歴など

3.診断基準との照らし合わせ

4.心理検査

※ 幻聴や幻覚などの陽性症状がなく、意欲の減退などの陰性症状が強い場合は、診断が難しいことがあります。

治療

統合失調症の治療は、薬を使った治療(薬物療法)と、専門家と話をしたりリハビリテーションを行う治療(心理社会的療法)を組み合わせて行います。

薬物療法

抗精神病薬:中心となる症状を抑えます。
抗不安薬、睡眠薬、抗うつ剤、気分安定薬など:補助的に使われます。

※ 薬の量や服用する期間は個人差があり、専門家が症状をみながら量を加減したり中止したりします。

自己判断で減量や中止をすると再発や重症化の危険を高めますので、医師の指導を受けることが大切です。

心理社会的療法

病気の自己管理の方法を身につけたり、社会生活機能を保つ訓練などを行います。
精神療法やリハビリテーションなど病状や生活の状態に合わせて、様々な方法が用いられます。

心理教育:病気や治療に関する知識を身につけ、自分自身で対処法を学びます。

生活技能訓練(SST):認知行動療法を通して自立生活やコミュニケーション能力回復のための訓練を行います。

作業療法:園芸、料理、木工などの作業を通して仕事における集中力・作業能力の回復をめざします。

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ホームドクターからのアドバイス

早期治療と継続治療

•統合失調症は、早期に治療を開始して、投薬やリハビリを適切に続けることで、回復が可能です。
「もしかしたら…」と思ったらできるだけ早く精神科を受診しましょう。

また、治療によって症状が治まっても、再発しやすい病気でもあるため、再発予防のために維持療法を継続していくことも大切です。

周囲の気づきが鍵

• 本人が病気であると気づきにくい傾向があるため、周囲が「いつもと違う」様子に気がついた場合は、早めに正確な診断を受ける必要があります。

早期発見のポイント

幻聴、幻覚、妄想:独り言を言っている、実際はないのに悪口を言われたなどの被害を訴える など

会話や行動の障害:話がまとまらず支離滅裂になる、作業のミスが多い など

意欲の障害:趣味が楽しめなくなる、人との関わりを避け引きこもる など

感情の障害:喜怒哀楽の表現が乏しくなり、他人の感情に共感できない など

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参考リンク

厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 統合失調症
 ヤンセンファーマ株式会社 統合失調症ナビ
心の健康情報局 すまいるナビゲーター

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