睡眠時無呼吸症候群

どんな病気

睡眠時無呼吸症候群(SAS:sleep apnea syndrome)とは、眠っている間に呼吸が止まってしまって、無呼吸状態になる病気です。

肥満傾向の40~60歳の男性に多くみられます。

 

無呼吸と低呼吸

無呼吸:睡眠中に10秒以上 呼吸が止まった状態

低呼吸:気流が減少して、もう少しで止まりそうな弱い呼吸

 

睡眠中に無呼吸あるいは低呼吸が1時間で5回以上あり、なおかつ日中の眠気などの症状や心血管系の合併症がある場合に診断されます。

また、自覚症状や合併症に関係なく、1時間に15回以上の無呼吸・低呼吸がある場合にも同疾患と診断されます。

 

きちんと睡眠をとれていないことによって、昼間の強い眠気や倦怠感、集中力低下などが引き起こされ、日中の様々な活動に悪影響が生じてきます。

高血圧や心臓への負担、将来の脳卒中の危険性が高まるとも言われています。

原因

閉塞性

閉塞性睡眠時無呼吸症候群:OSAS

呼吸をしようとしているが、上気道(口、鼻、喉)が何らかの原因でふさがることによって呼吸ができなくなります。

睡眠時無呼吸症候群の9割は閉塞型と言われています。

さまざまな原因で起こります。
• 首まわりの脂肪の沈着
• 扁桃やアデノイドの肥大
• 顎が小さい、気道が細い、舌が大きい
• 鼻の空気の通り道が曲がっている(鼻中隔弯曲:びちゅうかくわんきょく)など

中枢性

中枢性睡眠時無呼吸症候群:CSAS

呼吸せよという脳からの信号が睡眠時に低下して、呼吸そのものが停止します。

高齢者や脳の疾患後、慢性心不全などにみられます。

重症度分類

(1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数によって分類されます。)

軽症  5回以上15回未満
中等症 15回以上30回未満
重症  30回以上

夜間の症状

• いびき:閉塞性ではいびきをかきますが、中枢性では基本的にはいびきはかきません。

• 睡眠の途中で目が覚めてしまう

• 夜間、何度もトイレに起きる

• 寝汗をかく

朝、日中の症状

• 日中の眠気、倦怠感

• 起床時の頭痛、口の渇き

• 高血圧など

代表的な合併症

高血圧、多血症、不整脈虚血性心疾患脳血管障害糖尿病 など

検査

簡易睡眠検査

簡易診断装置による、自宅で一晩寝ている間にできる検査です。

手の指や鼻の下にセンサーをつけ、呼吸の状態や、酸素濃度などを検査します。

「画像提供:帝人ファーマ」

ポリソムノグラフィー検査(PSG)

簡易睡眠検査で疑われた場合に、1泊入院をして検査を行います。

脳波、呼吸運動、心電図、いびき音などのセンサーをとりつけて、一晩中連続して記録します。

「画像提供:帝人ファーマ」

治療

生活習慣の改善

まず飲酒や睡眠薬使用を制限します。

肥満のある方はBMI(身長体格指数)≦25を目標に減量します。

(参考)カシオ計算機株式会社(CASIO)ke!san 生活や実務に役立つ計算サイト
健康の計算「BMIと適正体重」

マウスピース療法

あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで上気道を広く保ちます。

専門の歯科医師に製作をお願いします。

持続陽圧呼吸療法:CPAP(シーパップ)療法

空気を送り出すマスクを装着して、鼻や口から空気を送り込んで気道を広げる方法です。

枕元において、毎晩使用します。

長期的に使用し続ける必要があります。

睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の合計回数が20回以上の場合には、医療保険を適用することができます。

手術による治療

扁桃肥大やアデノイドなどが原因に関与する場合には、扁桃腺の摘出を考えます。

鼻の疾患に原因がある場合には、CPAP療法や口腔内装置の治療効果を妨げることがあるため、手術が必要となることがあります。

ホームドクターからのアドバイス

無呼吸による低酸素血症に関連して、血圧が上昇したり脈拍が速くなるため心臓や血管に負担がかかります。

そのため、将来心疾患や脳血管などを起こす危険性が高まると言われています。

また、就寝中の突然死や居眠り運転事故、労働災害の原因にもなっています。

生活習慣を見直しましょう

• 肥満の方は、適正体重(BMI25未満)をチェックして減量に努めましょう。

喫煙、飲酒は睡眠時無呼吸症候群(SAS)を悪化させます。

• 横向きの姿勢で寝ることで症状が軽減する場合があります。

病気のサインを見逃さない

• 昼間の眠気や集中力低下、だるさなどがある方は、一度かかりつけ医にご相談ください。

• 寝ている間の無呼吸やいびきは本人は気づかないことも多いため、ご家族から受診を勧めていただくことも大切です。

もっと調べる

参考リンク

○ 日本呼吸器学会 呼吸器の病気 睡眠時無呼吸症候群

○ お役立ち情報ーあなたの適正体重は?

 

初診に適した科

呼吸器科、内科、耳鼻咽喉科、歯科

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