不整脈

どんな病気

不整脈とは、脈がゆっくり打つ、速く打つ、または不規則に打つ状態をいいます。

通常、成人の脈拍数は1分間に60~100回程度で、一定間隔の規則正しいリズムを刻んでいます。

脈拍数にはかなり個人差があるので、ふだんの自分の脈拍数(安静時)を測定して、その数値を知っておくといいでしょう。

頻脈

(ひんみゃく)

通常より脈が速く、1分間に100回以上の場合を頻脈といいます。

運動や緊張、発熱によっても脈は速くなりますが、これはだれにでも起こる生理的な頻脈といえます。

▶発作性上室頻拍、WPW症候群、心房細動、心房粗動、心室頻拍、心室細動、ブルがダ症候群、QT延長症候群など

徐脈

(じょみゃく)

通常より脈が遅く、1分間に50回以下の場合を徐脈といいます。

▶心房細動、洞不全症候群、房室ブロックなど

期外収縮

(きがいしゅうしゅく)

脈が飛んだり、リズムが乱れます。

不整脈の中で最もよく見られ、30歳をすぎる頃からほとんどの人に認められて、年齢と共に増加します。

連続して起こることもあります。

▶上室期外収縮、心室期外収縮

原因

不整脈の主な原因は、高血圧心筋梗塞後、弁膜症などの心臓の病気です。

その他に、甲状腺の異常、肺の病気、加齢や体質、ストレスによっても不整脈がでやすくなります。

症状

頻脈

ドキドキとする動悸を感じます。
さらに動悸が激しくなると、めまい、冷や汗、吐き気などを伴い、ときには意識を失うこともあります。

このような場合は、心室細動や心房細動の可能性もあるので、早めに受診して、検査を受ける必要があります。

徐脈

脈が遅くなると脳に血液が届かないため、フラッとしたり、目まいがしたり、意識が無くなったりします。
徐脈状態が長い間続くと、動くときに息切れを起こします。


症状が治まらない場合には、心不全を起こしている可能性もあるため、すぐに受診する必要があります。

期外収縮

自覚症状のない場合が多いのですが、人によっては胸に不快感を覚えたり、きゅっとする胸の痛みとして感じます。


ただし、この時の痛みは胸の狭い範囲で起こり、しかも一瞬または数秒以内でおさまるのが特徴です。
一瞬、胸に飛び込むような不快感や、おもわず咳が出てしまうなどの症状を自覚する方もいます。
年齢とともに、期外収縮が出ても感じにくくなってきます。

検査

安静時12誘導心電図検査

基本的な検査です。

ベッド上で横になり手足と胸に電極を貼り付けて、12ヶ所の心電図を記録します。

ホルター心電図(24時間心電図検査)

携帯式の小型の心電計をつけたまま帰宅して、体を動かしている時や、寝ている間に心電図がどう変化するかの記録をみる検査です。

運動負荷心電図

階段を上り下りしたり、ベルトの上を歩いたり、自転車をこいでもらったり運動をしながら心電図を記録します。

運動によって不整脈がどのように変わるか、症状と不整脈が一致するかなどをチェックします。

心臓超音波検査

心臓の形態や動きをみるもので、心臓自体に病気があるかどうかが診断できます。

治療

頻脈治療
① 投薬治療

不整脈のタイプによって、脈を遅くする薬や抗不整脈薬などのさまざまな薬を組み合わせて使用します。

② カテーテルアブレーション治療

細い管(カテーテル)を足の血管から入れて、その先端から高周波を流し、頻脈の原因になっている心臓の筋肉の一部を焼くことによって、不整脈を起こさないようにします。

長野県でも治療できる施設が増えています。根本治療ができることもあるため、ご自分の不整脈がカテーテルアブレーションの治療対象となるかをきちんと相談しましょう。

③ 植込み型除細動器治療

命に関わるような不整脈が起きても、それを自動的に感知して止めてしまう体内植込み型装置です。

徐脈治療
ペースメーカ治療

失神や心不全などの症状がある方は 「ペースメーカー」を体内に取りつけます。

ペースメーカーは、遅くなった自分の脈の代わりに、心臓に電気刺激を与える装置です。

局所麻酔で、肩の皮膚の下に電気刺激を発する小さな本体(電池)と、その刺激を心臓に伝える電線を入れます。

期外収縮

基本的には、経過観察になります。

自覚症状や不快感を強く訴える方や、24時間心電図で一日の心拍数約10万発のうち、およそ1~3万発以上の期外収縮が認められる方は、心臓の働きに影響が出ることがあるため、脈を少なくする薬剤や抗不安薬などを使用することがあります。

ホームドクターからのアドバイス

○不整脈は自覚症状がないことも多いため、定期的に健康診断を受けて自分の心臓機能を把握しておくことが大切です。

検査で不整脈が見られる場合には、治療が必要なものかそうでないかの診断をきちんと受けて、決して放置しないようにしてください。

○不整脈のなかには、原因がよくわからないものも少なくありません。
原因不明の不整脈には、ストレスが誘因になっているケースがよくあります。

ストレスは精神的なものに限らず、忙しさによる疲労や睡眠不足、食生活の乱れなども、からだには大きなストレスとなります。

いま一度、生活習慣を見直してみましょう。

*休みをきちんととっているか
*睡眠を十分にとっているか
*食事は規則正しく、バランスよくとっているか

「国立循環器病研究センター 循環器病情報サービスホームページ」より引用

もっと調べる

参考リンク

国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス 不整脈
日本不整脈心電学会 不整脈ってなあに?

初診に適した科

循環器科、内科

頼りになる病院

かかりつけ医を持ちましょう。
まずはお近くのかかりつけ医の先生にご相談ください。
北信

飯山市 飯山赤十字病院

長野市 長野県立松代総合病院

長野市 長野中央病院

東信

上田市 信州上田医療センター

佐久市 佐久総合病院

中信

安曇野市 安曇野赤十字病院

池田町 あづみ病院

松本市 相澤病院

松本市 まつもと医療センター

松本市 松本協立病院

松本市 松本市立病院

南信

飯田市 健和会病院

岡谷市 岡谷市民病院

木曽町 長野県立木曽病院

免責事項要約

当サイトは健康情報の提供を目的としており、当サイト自体が医療行為を行うものではありません。当サイトに掲載する情報については厳重な注意を払っていますが、内容の正確性、有用性、安全性、その他いかなる保証を行うものではありません。当サイトはお客様がこのサイト上の情報をご利用になったこと、あるいはご利用になられなかったことにより生じるいかなる損害についても一切の責任は負いかねます。当サイトからリンクしている他のウェブサイトに含まれている情報、サービス等についても、一切の責任を負うものではありません。