おかげさまで本コラム44回目です。
4は「し」という音が「死」を連想させるため、日本人が嫌う数字の代表ですね。
かく言う私もふと目が覚めてデジタル時計を見た時に、4時44分だと、何か起こるのではないかと不安に思います。
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そんな話をしていたら、ある方が「幸せ」の「し」だと思えば良いと教えてくれました。
事象は同じでも、自分の中で健全な捉え方や考え方に変えればよいのです。
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幸せといえば、はるか昔に修学旅行で訪れた奈良県の薬師寺を思い出します。
薬師寺は、故・高田好胤(こういん)元管主の時代からユーモアを交えた法話で知られています。
ガイド役の僧侶は厳粛、静謐(ひつ)などとは無縁の中学生たちが飽きないように面白おかしく、分かりやすくお話ししてくださいます。
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合掌をしながら、両手のしわとしわを合わせて幸せ(しわ合わせ)です。
両手の甲を合わせると不幸せ(節合わせ)です。
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純朴な田舎の中学生たちは大笑いです。
私は、表裏わずかな違いだけれど、間違えてはならないという教えだと受け止めました。
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最後に、拳をぶつけ合うのも不幸せです。
拳を握れないように合掌しましょう―と、まとめられました。
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お盆休みにこのコラムを書いています。
お経を上げにいらした僧侶が、お盆や法事は「故人にまた出会う日」だとお話しされました。
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毎日流れていく日常の中では、大切だった家族や友人たちのことも忘れがちです。
しかし、お盆は、集まった家族や親族と共に、故人の人柄や共通の思い出をしのぶ良い機会です。
死後の幸せは思い出してもらうことだと、高田好胤さんもおっしゃっています。
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そして死を改めて感じると、命のかけがえのなさや健康のありがたさに気付きます。
同席した子どもたちも自然に考えます。
ぜひお子さんやお孫さんも交えてください。
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(2020年8月25日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)
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