海や山にお出かけが多くなる時期ですね。楽しい行楽シーズンですが、医療者の視点で、気を付けてほしいこととして、「アウトドアシーズンに注意したい、虫によって起きる感染症」を紹介します
リケッチア症
リケッチアという微生物による感染症です。
ダニやツツガムシなどを介して感染します。
日本で見られるリケッチア症は主に2種類あります。
治療が遅れると重症化して死に至ることもあるので注意が必要です。
① 日本紅斑熱
• マダニを媒介して感染する
• 潜伏期間は2〜8日
• 中心が黒いかさぶた状で周辺が赤くなる刺し口が見られることがある
(ツツガムシ病より黒いかさぶた部分が小さい)
• 症状は、39度前後の高熱・米粒大の淡赤色の小さな発疹(腕や足、てのひらを含めほぼ全身に現れる)、頭痛、関節痛、全身倦怠感など
国立感染症研究所 感染症の話「日本紅斑熱とは」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/448-jsf-intro.html より引用
② ツツガムシ病
• つつが虫(体長0.5〜0.8㎜)によって媒介される
• 潜伏期間は10〜14日
• 中心が黒いかさぶた状で周辺が赤くなる刺し口が見られることがある
• 症状は、39度前後の高熱・淡赤色の小さな発疹(胴体中心に広がる)、頭痛、関節痛、全身倦怠感など
国立感染症研究所 感染症の話「ツツガムシ病とは」https://www.niid.go.jp/niid/ja/encycropedia/392-encyclopedia/436-tsutsugamushi.html より引用
治療は抗菌薬を使います。
適切に治療すれば3日以内に解熱します。
リケッチア症はほぼ毎年死亡者が出ている病気ですので、まずは虫に刺されないように予防をすることがもっとも重要です。
予防が大切!!
◆野山に入るときは肌を露出しない服装をこころがける
国立感染症研究所「マダニ対策、今できること」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/2287-ent/3964-madanitaisaku.html より引用
◆虫除け剤を使う
(成分にディートやイカリジンを含んだもの)
国立感染症研究所「マダニ対策、今できること」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/2287-ent/3964-madanitaisaku.html より引用
※吸い付いているマダニなどを見つけたら、自分で取ろうとしないで医療機関を受診しましょう。
口が皮膚に刺さったまま残り、リケッチアの入った体液を逆に体内に押し込んでしまうおそれがあります。
みなさんで気を付けて、楽しい夏を満喫しましょう!!