マダニ

 

どんな病気

マダニは、室内のハウスダストの原因となるダニとは異なる種類のダニです。

日本全国の森林や草地に生息しています。

山や川に入ることが多い初夏から夏の時期に被害が増えますが、ー年を通して活動をしています。

マダニは、人だけでなく動物全般の血液を吸血します。

クチバシがのこぎりのようになっていて、皮膚に差し込むと簡単には離れなくなります。

生涯に三回、吸血を繰りかえしながら、成長します。
その際の吸血の対象に人間も含まれます。

フタトゲチマダニの成長による姿・サイズの違い
バイエル薬品 Life with Pet 画像・動画で見るマダニの種類、吸血方法より引用

マダニは吸血前でも2〜4mmと大型のダニですが、
血液を吸った後はさらに大きく1センチ程度にまでふくれ上がります。

体重は100倍以上にまで増えることもあります。

バイエル薬品 Life with Pet 画像・動画で見るマダニの種類、吸血方法より引用

マダニ自体が病原菌を持っていたり、人間が刺される前に刺された動物が持っていた病原菌を媒介することで、さまざまな感染症を引き起こすため、注意が必要です。

原因

細菌やウイルスを保有したマダニに刺されることで、さまざまな感染症を引き起こします。

 

マダニは草や葉が茂っている場所を好みます。

自然豊かな場所だけではなくて、都会の公園や河川敷にも潜んでいます。

• 山の中

• 草原

• 田園地帯

• 草の茂る河川敷

• 草木の多い公園

など

 

症状

刺されても、最初は気がつかないことが多いですが、血を吸ってマダニが大きくなるとかゆみや異物感を感じます。

マダニの吸血は数日~二週間に及び、急にスイカの種くらいのほくろができたと感じて、気がつく方もいます。


重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

2011年に特定されたSFTSウイルスによる感染症です。
SFTSウイルスを保有しているマダニに刺されることによって発症します。

マダニのSFTSウイルスの保有率は5~15%程度と報告されています。
発生地域は西日本が中心となっています。

現在、有効な治療薬はありません。

• 潜伏期間は1~2週間

• 頭痛、発熱、嘔吐、下痢、筋肉痛、意識障害、出血症状 など

• 血小板減少や肝機能障害

重症化すると、死に至ることもあります。(致死率 約6~30%)

血液や体液を介して、人から人へ、動物から人へも感染するとされているため、注意が必要です。

 

参考:厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A

ライム病

シカやネズミが持っているボレリアという病原体をマダニが運ぶことによって感染します。

• 潜伏期間は数日から1ヶ月で、長い無症状の期間があります

• 刺し口を中心に広がる特徴的な赤い発疹

• その後、頭痛や発熱、倦怠感、筋肉痛 など

悪化すると、脳や心臓に障害を起こして死に至ることもあります。

適切な抗生剤の内服で治癒しますが、治っても1週間から長い時には数年にわたって関節痛などの後遺症が残ることがあります。

 

カラパイアより引用

参考:厚生労働省検疫所FORTH


そのほか、下記の病気にかかる危険性があります。

• ダニ媒介性脳炎
• 野兎病
• 回帰熱
• 日本紅斑熱

など


検査

マダニの寄生は、目視で診断します。

 

マダニを介する感染症が疑われる場合には、各病原体の検査を行います。


治療

刺されてから、24時間以内であれば、感染率が低いといわれています。

マダニに刺されたことに気がついたら、早めに医療機関を受診してください。

皮膚に寄生したマダニを取ることが第一の治療ですが、寄生したマダニを取る際には注意が必要です。


マダニは鋭いノコギリ状のくちばしで相手の皮膚に、しっかりと固定しているため、無理に引っ張ろうとすると口先だけが皮膚の中に残ってしまいます。

クチバシが残ると、その後数カ月から数年間にわたって、皮膚の炎症が続くことがあります。

また、皮膚から無理に取ろうとして誤ってつぶしてしまうと、病原体を体内に注入させてしまうことがあります。

中には、傷のない健康な皮膚からも感染する、感染力の強い病原体もいるため、手で直接触らずに、手袋などをして処置をしましょう。

 

できるだけ医療機関を受診してください。

医療機関では、ティックツイスターなどで除去を試みます。

皮膚にクチバシが残っている可能性が高い場合には、皮膚を切開して、皮膚に刺さったクチバシごと取り除く方法が確実です。

抗生物質

マダニが媒介する一部の病原体には、有効な抗生物質があります。

マダニを除去後に抗生物質を予防的に内服することがあります。


ホームドクターからのアドバイス

 

◎マダニ類に咬まれてから、数週間以内に、発疹、発熱、食欲低下、嘔吐等の症状がみられた場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

 

◎マダニに刺されないための予防対策がとても大切です。

春から秋にかけて外出する際には、とくに注意してください。

草むらや藪などのマダニが多い場所に入る場合には、長袖、長ズボン、靴下、足を完全に覆う靴を着用して、できるかぎり肌の露出を少なくしてください。

また、帰宅後や入浴時に、全身をチェックしましょう。

 

 国立感染症研究所 より引用

虫よけの方法は、虫刺されのページも参考にしてください。

 

◎お勧めの虫除けグッズについてはこちらでまとめています。
海でも山でも!!レジャーに必須な虫よけグッズ6選

 

ペット

マダニはペットにも感染します。

一緒に山や野原に遊びに行った後には、ペットもマダニに刺されていないかをチェックしてあげましょう

 

参考ページ

○ 応急手当 虫刺され
○ 病気の基礎知識 虫刺され

もっと調べる

参考リンク

みんなの健康百科 応急手当 虫刺され
NIID国立感染症研究所
厚生労働省検疫所 FORTH
厚生労働省 ダニ媒介感染症
日本皮膚科学会
バイエル薬品 Life with Pet

初診に適した科

皮膚科

頼りになる病院

かかりつけ医を持ちましょう。
まずはお近くのかかりつけ医の先生にご相談ください。
北信

中野市 北信総合病院

長野市 長野市民病院

東信

上田市 信州上田医療センター

佐久市 佐久総合病院(本院)

中信

安曇野市 安曇野赤十字病院

池田町 あづみ病院

大町市 市立大町総合病院

松本市 信州大学医学部附属病院

松本市 松本医療センター

松本市 松本市立病院

南信

飯田市 飯田市立病院

高森町 下伊那厚生病院 

免責事項要約

当サイトは健康情報の提供を目的としており、当サイト自体が医療行為を行うものではありません。当サイトに掲載する情報については厳重な注意を払っていますが、内容の正確性、有用性、安全性、その他いかなる保証を行うものではありません。当サイトはお客様がこのサイト上の情報をご利用になったこと、あるいはご利用になられなかったことにより生じるいかなる損害についても一切の責任は負いかねます。当サイトからリンクしている他のウェブサイトに含まれている情報、サービス等についても、一切の責任を負うものではありません。