信州大学内科学第一教室 呼吸器・感染症・アレルギー内科 監修
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死亡の原因疾患 第5位(肺炎)
死亡の原因疾患 第6位(誤嚥性肺炎)
どんな病気
肺炎は肺胞(はいほう)と呼ばれる気管支の奥にある小さな袋状の部分に炎症が起きた状態です。
細菌やウイルスなどの病原体が肺に感染して炎症を起こします。
病気や高齢のために体力や免疫力が弱っていると肺炎を起こしやすくなります。
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原因
細菌
肺炎球菌、インフルエンザ桿(かん)菌(インフルエンザウイルスとは異なる細菌)、マイコプラズマなど
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ウイルス
インフルエンザウイルス、アデノウイルス、新型コロナウイルス(COVID-19)など
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※新型コロナウイルスに関する情報は、
〇厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
でご確認ください。
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誤嚥性肺炎
歳をとって飲み込む力(嚥下力)が低下すると、食べ物や唾液が気管へ入り込みやすくなります。(誤嚥)
口の中の雑菌が肺にまで達することによって起こる肺炎が誤嚥性肺炎です。
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症状
• 咳、息切れ、胸の痛み
• 喘鳴(ぜんめい:呼吸時の「ゼーゼー」「ヒューヒュー」音)
• 発熱、全身倦怠感、食欲不振
• 脈がはやい
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検査
診察
聴診で胸に雑音があるか、
サチュレーションモニターで体内の酸素濃度などを調べる。
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胸部レントゲン検査、胸部CT検査
肺が炎症を起こしているか、また炎症の程度や広がり具合などを検査
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血液検査
白血球、CRP(体内に炎症などがあるときに血液中に増えるタンパク質)などから炎症の程度を検査
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病原体を調べる検査
迅速(じんそく)検査
のどや鼻を拭った液や尿から感染を調べます。
検査ができる菌は、肺炎球菌やマイコプラズマ、レジオネラ菌など数種類に限定されます。
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培養検査
痰や血液から、病原体を培養して調べます。
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治療
「安静」「保温」「水分・栄養補給」が治療の基本です。
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薬物療法
肺炎の原因となった細菌に対して、抗菌薬を使用します。
鎮咳薬(咳をおさえる薬)や、去痰薬(たんを出しやすくする薬)、気管支拡張薬(気管を広げて呼吸を楽にする薬)、解熱薬(熱を下げる薬)などを使用します。
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酸素療法
低酸素血症や呼吸困難が見られる場合は、酸素吸入を行います。
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ホームドクターからのアドバイス
かぜをきっかけに肺炎となることが多く、かぜの予防が大切です。
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普段から感染予防の習慣を
• こまめにうがい、手洗いをしましょう。
• 人が多いところは避けたり、外出時にはマスクを着用しましょう。
• 部屋の湿度をチェックして、加湿器などで適切な湿度(50~60%)を保持しましょう。
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体力や免疫力を高めましょう
• バランスのよい食生活や十分な睡眠、適度な運動を心がけましょう。
• 喫煙者は禁煙しましょう。
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予防接種を受けましょう
◆高齢者肺炎球菌ワクチンの予防接種について
平成26年10月1日から、高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました。効果は5年間有効で、5年ごとの接種が薦めらています。
65歳以上で5歳ごとの区切りの年齢の方は市町村などにより予防接種代金の助成が行われていることが多くみられます。
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詳しくはお住いの地域の役場にお問い合わせください。
また、60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方も定期接種の対象となります。
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詳しくはこちらから
〇厚生労働省 感染症情報 肺炎球菌感染症(高齢者)
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◆インフルエンザワクチンの予防接種について
毎年11月~12月初旬には、インフルエンザワクチン接種も受けましょう。
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誤嚥性肺炎の予防
• 上体を起こして食事をする
• ゆっくり、よく噛んで食事をする
• 高齢者の方には 嚥下機能に合った調理法を選ぶ
• 食事の介助が必要な場合は目線を合わせて介助する(立ったままはNG)
• 口をゆすぐ、歯磨きをするなどの口の中を清潔に保つ
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登園・登校停止について
小児のマイコプラズマ肺炎の登園・登校停止期間については、
お役立ち情報:「登園登校出席停止の目安」をご確認ください。
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もっと調べる
参考リンク
厚生労働省 感染症情報
□○ 肺炎球菌感染症(高齢者)
○ 肺炎球菌感染症(小児)
日本医師会
日本呼吸器学会
出典「日本呼吸器学会」■■
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