死亡の原因疾患 第13位
どんな病気
大動脈瘤とは、大動脈の壁が動脈硬化などで弱くなって、コブ(瘤)のように外側に膨らんでしまう状態をいいます。
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大動脈瘤は、ほとんどが無症状のまま少しずつ瘤が膨らんでいって、膨らめば膨らむほど破裂しやすくなります。
症状が現れるのは、破裂しかかっている時、または破裂してしまった時だけです。
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破裂すると、胸や腰の激痛や大出血による意識消失を起こして、命を落とすことも少なくありません。
症状が出たときには手遅れになってしまう可能性が非常に高く、危険度の高い病気です。
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日本では、年間1万8千人以上が大動脈瘤および大動脈解離(大動脈の壁の内側が裂ける病気)によって死亡しています。
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分類
胸部大動脈瘤 | 胸部にできる |
腹部大動脈瘤 | 腹部にできる |
胸腹部大動脈瘤 | 胸部・腹部両方にまたがってできる |
「国立循環器病研究センター 循環器病情報サービスホームページ」より引用
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原因
最も多い原因は動脈硬化です。
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(参考)
国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス 病気について 動脈硬化
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動脈硬化の危険因子
加齢、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、喫煙、肥満など
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症状
• ほとんどが無症状
• 体の深い部分に鈍い痛みを感じることがあります。
(胸部であれば胸のあたり、腹部であれば腰の周辺)
• 破裂してしまうと、激しい痛みがあらわれます。
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検査
大動脈瘤は、ほかの病気の検査時に偶然発見されることがほとんどです。
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CT検査
「横須賀共済病院 ホームページ」より引用
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□胸部大動脈瘤:胸部レントゲン検査
□腹部大動脈瘤:腹部エコー検査
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コブ(瘤)の直径が4~5cm程度まで膨らむと破裂する危険性が高まります。
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治療
薬物療法
コブ(瘤)が小さいうちはコブを破裂させないように、血圧を下げる薬などで経過をみます。
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ステントグラフト治療
足の付け根からカテーテルを入れて、コブの位置に特殊な金属の筒(ステント)を留め置いて、血管の破裂を防ぎます。
手術に比べて 患者の体への負担の少ない治療法です。
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手術治療
コブが大きくなってくると、コブの部分を人工血管で置換する手術を行います。
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ホームドクターからのアドバイス
定期的に健康診断を受けて、破裂する前に大動脈瘤の存在を発見することが大切です。
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大動脈瘤が見つかったら・・
• 大動脈瘤は自然に小さくなることは少ないため、定期的に画像検査を受けてください。
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• 血圧が高くなると、血管に負担がかかって動脈が裂けてしまったり、破れたりする恐れがあります。そのため血圧を上げないように生活することが大切です。
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• 腹部にコブ(瘤)がある場合は腹部の保護も大切です。
□*ベルトや帯でお腹をきつく締める服装は避けましょう。
□*お腹に力を入れる動作は避けましょう。
□□□>急に重い荷物を持ち上げない。
□□□>排便時に力まない。
□□□>お腹を強く打たない。
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大動脈瘤の予防
原因となる動脈硬化を防ぐため、生活習慣を見直しましょう。□
◆食生活
塩分、糖分、脂肪分、カロリーを取り過ぎないようにして、バランスのよい食事を心がけましょう。
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◆禁煙
たばこを吸うと血圧が上がり脈拍が増えます。
たばこの煙には多くの物質が含まれ、特に循環器ではニコチンや一酸化炭素の影響が大きいと言えます。
また血管の内皮にも影響し、血管の収縮、血液凝固、動脈硬化をもたらします。
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◆適度な運動
運動は、肥満をはじめとしたすべての生活習慣病の改善につながります。
毎日の生活の中にとり入れて、軽めの運動から始めましょう。
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◆ストレスを避ける
精神的・肉体的ストレスがかかると、血圧や脈拍数が上昇して心筋梗塞の引き金となります。
気分転換を図るようにして、焦らず・怒らず・のんびりと着実な生活リズムをつくりましょう。
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参考リンク
○ 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス 大動脈瘤と大動脈解離
○日本血管外科学会 血管の病気(血管病)について
ー胸部大動脈瘤
ー腹部大動脈瘤
○ 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 大動脈瘤のはなし
初診に適した科
血管外科、循環器内科
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