どんな病気
ふとした瞬間に尿が漏れてしまう尿漏れ(尿失禁)は、自分の意志とは関係なく起こる症状です。
加齢に伴って、尿道を閉める尿道括約筋や、膀胱を支える骨盤底筋群などの筋肉の働きが低下することで、ちょっとした刺激によって尿漏れが起こります。
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原因・症状
腹圧性尿失禁 |
急に立ち上がった時や重い荷物を持ち上げた時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入ったときに尿が漏れてしまうのが腹圧性尿失禁です。 |
切迫性尿失禁 |
急な尿意におそわれて、我慢できずに漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。 □ 男性では前立腺肥大症も原因になります。 |
溢流性尿失禁 (いつりゅうせいにょうしっきん) |
膀胱に尿がたまっているにも関わらず、うまく尿を出せずに、膀胱から尿が少しずつあふれ出るのが溢流性尿失禁です。 |
機能性尿失禁 |
膀胱や尿道の機能は正常ですが、運動機能の低下や認知症が原因で起こる尿失禁です。 |
排尿後尿滴下 (排尿後の尿漏れ) |
排尿後に尿道の中に残ってしまった尿が、動き出すと漏れ出てしまうのが排尿後尿滴下です。 男性に多く見られます。 |
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検査
尿検査
尿の成分を調べて、他に病気がないか調べます。
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超音波(エコー)検査
エコーで膀胱内の残尿量や膀胱、前立腺の状態を調べます。
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排尿記録
排尿状態を数日間記録します。
どのような時に尿が漏れるのか、1日の排尿回数や1回の排尿量などから、排尿状態や尿失禁の程度がわかります。
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pad(パッド)テスト
水分摂取後に、決められた動作や運動をおこなって、検査前後のパッド重量を計測し、尿失禁の量を判定します。
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治療
腹圧性尿失禁 |
• 骨盤底筋群体操 ※「ホームドクターからのアドバイス」を参照 骨盤底筋群を鍛える筋肉のトレーニングを行います。 • 薬物療法 • 手術療法(骨盤底再建術など) 骨盤底筋訓練などの保存的療法では改善しない場合は、「TVT」、「TOT」と呼ばれる骨盤底を補強する手術を行います。 |
切迫性尿失禁 |
• 主に薬物療法を行って、他の病気や残尿、副作用を観察しながら治療を行います。 |
溢流性尿失禁 (いつりゅうせいにょうしっきん) |
• 先に原因となっている病気(前立腺肥大症など)の治療を行います。 |
機能性尿失禁 |
• 尿取りパッドを使用したり、尿意を感じる前にあらかじめ時間を決めてトイレに行くことで対応します。 |
排尿後尿滴下 (排尿後の尿漏れ) |
• 立っている状態よりも洋式トイレに座る方が尿道の角度が緩くなるため、症状が改善されます。 |
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ホームドクターからのアドバイス
医師に、自分の尿漏れの症状をきちんと伝えましょう。
• いつ、どんなときに
• どんなふうに
• どれくらいの量
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自分の症状をメモしておくなど、正しく把握しておくことが必要です。
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尿漏れの予防
軽い尿漏れは骨盤底筋群を鍛えることで防ぐことができます。
60~90%の人に効果があると言われています。
「画像提供:日本メドトロニック」
① 尿道・肛門・腟をきゅっと締めたり、緩めたりして、これを2~3回繰り返します。
② 次は、ゆっくりぎゅうっと締めて、3秒間ほど静止します。
□その後、ゆっくり緩めます。これを2~3回繰り返します。
③ 引き締める時間を少しずつ延ばしていきます。
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!注意点!
○1回5分間程度から始めて、10分~20分まで少しずつ増やしていきましょう。
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○いろいろなポーズで行ってみましょう。
• 仰向けで寝て、膝を立てて行う
• 床に膝をつき、クッションなどの上にひじを立て、手に頭を乗せて行う
• テーブルに手をついて行う
• 座って行う
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【おすすめ動画】
骨盤底筋トレーニング(YouTubeメディビトチャンネルへリンクします)
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参考リンク
○ 日本泌尿器科学会 こんな症状があったら「尿が漏れる・尿失禁がある」
初診に適した科
泌尿器科
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