1型糖尿病の発症原因は、自己免疫説が有力です。
ある日、自分の体内で自分の膵臓を攻撃してしまう「自己抗体」がつくられるようになってしまいます。
なぜ自己抗体をつくるようになるのかは、まだ分かっていませんが、発熱などの風邪症状の後に1型糖尿病を発症する人がいるため、ウイルス感染症が一つのきっかけと考えられています。
ウイルス自体が膵臓を攻撃することもあれば、風邪のウイルスをやっつけるためにつくられた抗体が、間違って膵臓を攻撃してしまうと推測されています。
思春期に発症する人も多く、インスリンが枯渇するため、生涯にわたって注射でインスリンを補充しなくてはなりません。
偶然かつ突然、糖尿病になってしまうので、生活習慣とは全く関係がありません。
日本人に多い、2型糖尿病の「インスリン分泌低下型」は、読んで字のごとくインスリンを分泌する膵臓の力が弱い人に発症します。
人には体質的、遺伝的に体の強い所、弱い所があります。
心臓の弱い方、歯の弱い方、膝の弱い方ーなど、人それぞれです。
加齢とともにその弱い箇所に病気が出やすくなります。
夫婦で長年同じ食事をしていても、どちらかだけが糖尿病になるのは膵臓の強さが異なるからです。
元々、インスリンの分泌力が弱いにも関わらず、過食や早食いなどの血糖値が上がりやすい食事を続けていると膵臓の疲弊が早く進み、比較的若い年齢で糖尿病を発症するのが特徴です。
また、痩せていた人が太った時には膵臓に大きな負担がかかっており、糖尿病を発症しやすくなり要注意です。
しかし、膵臓のインスリン分泌能力が強いか弱いかは自分では分かりません。
糖尿病が発症してから後悔しないためにも、自分の膵臓は強くないかもしれないと用心し、若い頃から膵臓をいたわった食事を心がけるのが最大の予防になります。
(2023年10月24日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)