医良人コラム
20/2/4

第24回 フレイル予防のお手本


先日、母校信州大学の創立70周年記念式典が開かれました。
特別講演の講師は、諏訪中央病院(茅野市)名誉院長の鎌田實先生。
演題は「心と体の健康法、教えます」でした。


鎌田先生は、私が15年前に同病院に就職する際の面接官でした。
先生の著書「がんばらない」がベストセラーとなって注目を浴びていましたが、
面接後は自ら院内や中庭を案内してくださり、人を大切にする人柄が伝わりました。


私は諏訪中央病院で、消化器科医としてがん患者さんの治療に多く関わり、抗がん剤治療などとともに緩和ケア病棟も担当しました。

鎌田先生は講演やテレビ出演などで多忙にもかかわらず、週に1回、緩和ケア病棟を欠かさず回診しました。

先生が病室に顔を出すと、初対面の患者さんでも表情が明るくなり、
毎日話している主治医の私よりも会話が弾んで少し嫉妬心を覚えました。



緩和ケア病棟に入院する方は、皆さんそれぞれの背景やストーリーをお持ちです。
私の担当患者さんたちも鎌田先生の本に紹介されており、読み返すと当時の記憶がよみがえります。

今回の講演も、樹木希林さんや海外支援などのエピソードを交えながら、
新しい健康トピックや具体的なアドバイスを紹介しました。

聞いている人のやる気を引き出す、さすがの内容です。
私自身が健康啓発に取り組むようになったからこそ、鎌田先生のすごさに気付くことができたのです。


講演後すぐに連絡を取ってお話を伺ってきました。

ご自身の肉体改造体験やオリジナルの体操、
最近始めた新しい活動なども教えていただいたので、
これから順次紹介していきます。




最後に先生に、古希を過ぎてもなぜ今までと同じように意欲的に取り組めるのかを尋ねたところ、
「好奇心とわくわくが好きだから」とのこと。
まさに健康づくりのお手本だと感心しました。

(2019年8月6日(火)付MGプレスから)



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