どんな病気
花粉やハウスダストなどの抗原(アレルゲン)が、鼻の粘膜で炎症を起こす起こるアレルギー疾患です。□
主な症状は、鼻水・鼻づまり・くしゃみです。
皮膚や目のかゆみ、のどのかゆみ・イガイガ感、頭痛、せき、微熱、だるさなどの全身の症状を伴うこともあります。□
一年中症状が出る「通年性」と、特定の季節に症状が出る「季節性(花粉症)」とに分けられます。
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アレルギー性鼻炎の有病率は、日本国内の病気で第一位です。
通年性、季節性ともに年々増加しています。
鼻アレルギー診療ガイドライン2020年(第9版)より作図
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原因
抗原にはいろいろな種類があり、主なものとしてはハウスダスト、花粉、ダニ、カビ、ペットとして飼っているイヌやネコの毛があります。
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通年性アレルギー:ハウスダスト、ダニ、カビ、ペットなど
季節性アレルギー:花粉
冬から春 | スギ、ヒノキ、シラカンバ、ハンノキ 、その他 |
夏から秋 | イネ科(カモガヤ、ホソムギ)・キク科(ブタクサ、ヨモギ)、アサ科(カナムグラ)、その他 |
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症状
通年性アレルギー性鼻炎
一年中くしゃみや、鼻みず、鼻づまりが続きます。
ハウスダストのアレルギー性鼻炎の方は、気管支喘息やアトピー性皮膚炎をあわせてもっている場合もあります。
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季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)
花粉が飛ぶ季節に、何度も続くくしゃみ、透明でさらさらした鼻水、頑固な鼻づまりなどを起こします。
花粉が飛ばない季節には、鼻症状はありません。
アレルギー性結膜炎を同時に起こすことが多く、目のかゆみが見られます。
【花粉カレンダー(季節性アレルギー性鼻炎)】
検査
鼻鏡検査
専用器具を使って、直接 鼻の粘膜の状態を観察します。
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鼻汁検査
アレルギー性鼻炎では、血液中や鼻水の中に好酸球細胞(白血球の一種)が増加するため、鼻水のなかにアレルギーに関連する好酸球細胞が見られるかを調べます。
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血液検査
血液中のIgE抗体量や特定の抗原(アレルゲン)に対するアレルギー反応の強さを測定します。
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アレルゲンテスト
原因になる抗原(アレルゲン)を染み込ませたパッチを皮膚に貼ったり、皮膚に注射してアレルギー反応が起こるかどうかをみます。
抗原を鼻に入れてアレルギー反応が起こるかどうかをみる、鼻粘膜誘発テストなども行われます。
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治療
できるかぎり、発病の原因となる抗原(アレルゲン)を取り除く『予防』が基本です。
マスクを使用することで、鼻に抗原が入ってくることを予防します。
治療には、抗アレルギー薬の内服、点鼻薬、注射薬、レーザー治療、手術療法などがあります。
近年は免疫療法も根本的な治療法として注目されています。
アレルゲン免疫療法(減感作療法)
原因となる抗原(アレルゲン)を定期的に体内に入れることで、抗原に慣れてアレルギー反応が起こりにくくなるよう体質を改善する方法です。
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舌下療法:
舌の裏に、スギ花粉を含む液体を垂らしたり、錠剤をおいたりする方法
一部の抗原の舌下療法にも 医療保険が適応されるようになりました。
参考:スギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎の舌下免疫療法について相談 できる医療機関を検索
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注射療法:
抗原(アレルゲン)を含んだ注射液を 安全な低濃度から徐々に量を増やして注射する方法
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詳しくはかかりつけの医療機関にご相談ください。
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ホームドクターからのアドバイス
バランスのとれた食事や十分な休息や睡眠、規則正しい生活を送ることが大切です。
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通年性アレルギー性鼻炎の対策
• 部屋の掃除をこまめに行い、換気も定期的に行いましょう。
• 雑貨や本など、ほこりを集めやすいものをできるだけ置かない工夫も大切です。
• ダニやほこりがつきやすい寝具や布張りのソファー、クッションなどは、入念に掃除や洗濯をしましょう。
布団乾燥機の使用や、ダニを通さないカバーをかけることも有効です。
• カーペットや畳は避けて、できるだけフローリングにしましょう。
• 乾燥しやすい時期は、加湿器などを設置して部屋の湿度を50%前後に保ちましょう。
• 高性能の空気清浄機を置くことも効果的です。
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季節性アレルギー性鼻炎の対策
花粉予防の三原則:花粉を「入れない」、「つけない」、「持ち込まない」
「入れない」
外出する際は、マスクや眼鏡を着用して、花粉を体内に入れないようにする。
ドアや窓は開けたままにせずに、すぐに閉める。
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「つけない」
衣服は花粉のつきにくい素材(表面がツルツルしているもの)を選ぶ。
洗濯物や布団は室内に干すなどして、花粉をつけないように工夫する。
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「持ち込まない」
室内に入れないために、
室内に入る前には、衣服や髪についた花粉を払い落とす。
外に干した布団は、花粉を掃除機で吸い取る。
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花粉の飛散情報にも注意しましょう
季節性のアレルギー性鼻炎の場合には、花粉が飛び出すはじめる前から予防的に薬を服用していると、花粉症の症状が軽くなるといわれています。
イネ科などの草花の花粉は丈が低いため、遠くまでは飛散しません。田畑に近づかないないだけで予防効果があります。
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アレルギー性結膜炎
目のかゆみ、充血、異物感、目やになど、アレルギー性結膜炎の症状がある方は、通常の花粉症の対策に加えて 花粉対策メガネを着用し、目に花粉が付着するのを防ぎましょう。
普通のメガネをかけただけで、目に侵入してくる花粉量は裸眼の時と比べて約40%減少。防御カバー付きの花粉症用メガネの場合は約65%も減少します。
(環境省/花粉症環境保健 マニュアル 2022(令和4年3月改訂))
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口腔アレルギー症候群(OAS:Oral Allergy Syndrome )
花粉症患者さんでは、果物を食べたときに口の中や喉がかゆくなったり、唇が腫れるなどの症状が現れることがあります。
果物・野菜等を食べることによって起きる、くちびるや・口腔粘膜の接触じんましんです。
摂取後5分以内に症状を認めることが多くみられます。
花粉症との交差反応
花粉症の原因 |
果物 |
スギ |
トマト |
シラカンバ・ハンノキ |
リンゴ、モモ、さくらんぼ |
イネ |
トマト、メロン、スイカ、オレンジ |
ヨモギ・ブタクサ |
メロン、スイカ、セロリ |
〇参考:みんなの健康百科:食物アレルギー
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もっと調べる
参考リンク
〇 厚生労働省
〇 日本医師会
〇 日本アレルギー学会
〇 アレルギーポータル
〇 日本アレルギー協会
花粉飛散情報
〇 長野県の花粉情報
アレルゲン免疫療法
〇 鳥居薬品 アレルゲン免疫療法ナビ
初診に適した科
耳鼻咽喉科、内科、小児科、アレルギー科、眼科
頼りになる病院
まずはお近くのかかりつけ医の先生にご相談ください。
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