骨粗鬆(しょう)症の患者数は、日本全体で約1300万人もいて8割は女性です。
閉経後に女性ホルモン量の減少に伴い急速に骨密度が低下し、女性は60代の5人に1人、80代の5人に3人が骨粗鬆症になります。
誰もが必要になる骨密度の検査結果の見方を覚えましょう。
骨密度はYAM値という、若い人の平均骨密度を100%とした時に、何%に相当しているかという値で判断します。
YAM値が80%を下回ると黄信号、70%を下回ると赤信号、すなわち骨粗鬆症と診断され、治療投薬の開始が検討されます。
女性のYAM値が80%を下回るのは平均60代前半のため、65歳以上の女性に骨密度検査が勧められます。
しかし、この頃は自覚症状はありません。
高血圧や糖尿病が、自覚症状がなくても健康診断などで血圧や血糖値を測るように、骨粗鬆症を調べるには骨密度を測定してみるほかありません。
ぜひ奥さん、お母さんをはじめ、周りの大切な方に勧めてください。
骨粗鬆症の進行により、70歳ごろから脊椎圧迫骨折を繰り返し、80代で大腿骨骨折を起こし、最期に要介護状態へとつながる様子を例えて、「骨折のドミノ現象」と呼びます。
一度低下した骨密度を再び上げることは難しく、このドミノ倒しを防ぐためには、幼少期からの予防意識が重要です。
図のように、骨密度は20歳ころまでしか高めることができません。
よく食べてよく外で遊び、できるだけ強い骨を作ること、成人後は骨密度を減らさないように、無理なダイエットは控えること、普段から運動をして骨に刺激を与えること。
生涯をかけて骨作りをお願いします!
(2022年8月2日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)