健康のため取り過ぎに注意するべき食材の代表「塩」に注目します。
塩は、国内に4300万人もいるとされる「高血圧」と関連が深いためです。
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魚や野菜に塩を振りかけると、水分が出てきますね。
塩は水を引き寄せる力があります。
同様に食事で塩分を取り過ぎると、体内に水分を引き寄せます。
水分が増えると血液量も増えます。
心臓はたくさんの血液を送り出すため、強く拍動しなくてはならず、結果として血圧が高くなるのです。
血圧にどのくらいの力があるか、想像してみましょう。
血圧の単位は㎜Hg(ミリメートル・エイチ・ジー)、Hgは水銀の元素記号です。
水銀の柱が昇っていく血圧計をご存じの方も多いと思います。
水銀の比重は水の13.6倍。
上の血圧(収縮期血圧)140mmHgを水柱に変換すると、高さ190 cmに達します。
水柱血圧計だと身長をはるかに超え、目盛りがよく見えないため、水銀柱が選ばれたのかもしれません。
冗談はさておき、2m近く吹き上がる水圧をイメージできましたか?
次に、心臓は1日に10万回も拍動しています。
10万回×365日×生きている年数だけ、血圧という負担が延々とかかり続けています。
血管は脳や心臓、腎臓などの重要な臓器に直接つながっています。
負担が積み重なると、やがて脳卒中や認知症、心筋梗塞、慢性腎臓病(透析)などの病気につながります。
厚生労働省は、国民の上の血圧が平均4mHg下がるだけで、1年間で脳卒中を1万人、心臓疾患を5千人も減らすことができると推計しています。
まず、塩ひと振りを控えましょう。
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敬老の日にあわせて昨年9月から紹介しています「信州メディビトネット健康七箇条」は、1年経っても第一条「しっかりと理解して食べる」が続いています…。
それだけ食事が健康づくりの大切な基本であると捉えていただき、じっくりとお付き合いください。
(2022年9月6日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)