医良人コラム
22/10/18

第60回 健康度 加齢とともに低下

当コラム第8話で、健康づくりとは言うけれど、実は健康は健康に良いことをすると寿命が延びる「加点方式」ではなくて、不摂生をすることによって天命が短くなっていく「減点方式」であることをご紹介しました。

WHO(世界保健機関)は、日本人では、タバコを吸う人は6.15年、高血圧の人は、5.94年寿命を「損失」していると発表しています。

また、第54話では、過食や運動不足などの不適切な生活習慣から、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が引き起こり、症状はないものの動脈硬化や慢性炎症が静かに進行していくと、やがて脳梗塞や認知症などの命にかかわる病気や要介護状態状態へと続く一連の病気の流れをご紹介しました。

「減点・マイナス」と「次第に加速して重篤になっていく」、この二つのイメージを重ねて分かりやすく図にしてみました。

図の見方は、左側の0歳の縦軸をスタートして、右側に向かって人生を過ごしていくと、健康度は加齢とともに低下していきます。

黄色のラインを下回ると高血圧などの生活習慣病を持病として持つようになったことを意味します。

さらに低下して、赤い線を下回ると、脳梗塞や慢性閉塞性肺疾患によって、麻痺や在宅酸素などを抱えて生活している状態です。

最後に黒い線に接すると、天命よりも早く命を終えたということを表しています。


次回に続きます。

(2021年7月13日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)

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