前回、慢性的に炎症が続くと発がんにつながる理屈を説明しました。
今回はそれを踏まえて「がんを防ぐ方法」を解説します。
日本人の罹患数の多いがんは1位大腸がん、2位胃がん、3位肺がんです(2014年)。
なぜこの3箇所にがんが多いのか分かりますか? 答えは、「外とつながっている」からです。
食べた物は、口から食道、胃、小腸、大腸を通って便となり体を通り抜けていきます。
肺は、鼻や口、気管支を経て呼吸をしています。
胃腸や肺は外界とつながっているため、侵入してくるさまざまな物質や病原菌と接触する機会が多くなります。
繰り返し接触して慢性炎症が続くと、遺伝子が傷つき発がんにつながるのです。
「体に入るものに気を配る」。
このポイントを押さえると、対策法の理解が深まります。
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国立がん研究センターの「科学的根拠に基づくがん予防」によると、
①禁煙
②節酒
③食事は減塩、野菜・果物を多く、熱い物は冷ましてから
④運動
⑤適正体重
の5項目が最も予防効果が高く、がんの発生率が約40%も低下します。
第8回で紹介したように、健康づくりは健康食品などを取ることで健康になったり、
がんを予防できたりする加点方式ではありません。
まずは不摂生や、既に健康に悪影響し「減点」を引き起こしている要因を取り除くことが先決であり、
かつ効果も証明されています。
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がんも動脈硬化も日々の小さな負担の積み重ねが、やがて大きな影響を及ぼします。
がんを避けたいなら、まずは日常生活という基本を見直すことが第一歩です。
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(2019年5月28日(火)付MGプレスから)