慢性感染は、発がんの約20%を占める大きな要因です。
今回は、がんを起こすピロリ菌とB型・C型肝炎ウイルスについて学びましょう。
ピロリ菌に感染していると5~10倍胃がんにかかりやすく、
肝臓がんの8割はB型・C型肝炎ウイルスが原因です。
国内では年間に胃がんで4万5000人、肝臓がんで2万7000人が亡くなっています。
それだけに病原菌の発見は医学的、社会的に大きな衝撃があり、
ピロリ菌とB型肝炎ウイルスの発見者はノーベル賞を受賞しました。
【予防】
体内に入れないために感染経路を確認します。
ピロリ菌は口から感染します。
大半は抵抗力の弱い乳幼児期に感染するので、
赤ちゃんにうつさないためにも妊娠、子育てが始まる前に
家族みんなでピロリ菌検査を済ませておくと安心です。
肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染します。
菌やウイルスは目には見えません。
他の人の血液や体液にはなるべく直接触らず、ビニール手袋などを使いましょう。
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【検査】
ピロリ菌感染者は3000~4000万人、
肝炎ウイルス感染者はB型・C型それぞれ100~200万人と推測されています。
急性炎症は痛みや腫れを伴いますが、「慢性炎症」は自覚症状が少ないことが特徴でしたね。
そのため感染していることに気付いていない人が数多く、もしかすると「自分も…」かもしれません。
突然進行がんが見つかるかもしれないし、知らずに他の人にうつしてしまう可能性もあります。
必ず一度は検査を受けてください。血液検査などですぐに調べられます。
かかりつけ医に相談してもよいし、健康診断のオプションや保健所で受けられることもあります。
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【治療】
ピロリ菌もB型・C型肝炎も、飲み薬だけで駆除や活動を抑えることができます。
予防と検査までは、全ての人に共通して大切です。
自分ごととして受け止めて、ノーベル賞の恩恵を享受しましょう。
(2019年6月18日(火)付MGプレスから)