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昨年から風疹が流行しています。
「三日ばしか」とも呼ばれるように発疹が出ますが、麻疹ほど症状は強くありません。
しかし、妊娠中の女性が風疹ウイルスに感染すると、おなかの赤ちゃんの心臓や耳、口、脳などに障害を残してしまいます。
これから生まれてくる赤ちゃんの一生が変わってしまうのです。
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2013年の流行時には、国内で45人(12~14年)の「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが生まれ、
内10人は生後半年までに亡くなりました。
妊婦さんへ感染させないためには周囲での流行を防ぐこと。そのためには個人個人がしっかりと予防接種を受けておくことが大切です。
予防接種は、自分だけでなく周りの人も守っています。
そのつながりを意識してほしくて、私たち医療者は「予防接種は思いやり」と表現します。
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東京五輪・パラリンピックもあり、国際交流が進むと輸入感染症が増えることが予想されます。
厚生労働省はこの4月から、風疹の予防接種を一度も受けていない1962(昭和37年)4月2日~79年4月1日生まれの男性を対象に、
風疹への免疫の有無を調べる血液検査と、免疫がない方へのワクチン接種を3年間無料で実施することにしました。
該当する方にはクーポンが届くので、ぜひ検査を受けてください。
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該当者以外でも、妊娠を希望する女性や同居家族は保健所で無料検査を受けることができます。
風疹ワクチンは2回接種が推奨されています。
1回だけの方や記録のない方は、自費診療になりますが検査や追加接種をお願いします。
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東京五輪・パラ招致の最終プレゼンテーションで話題となった「おもてなし」は、他人を思いやる心があってこそです。
風疹の流行が報道され始めた昨年、私の外来に通う男性患者さん数人から
「赤ちゃんにうつすとかわいそうだから自費で予防接種を受けたい」
と申し出がありました。日本人の優しい思いやりの心を感じました。
(2019年4月2日(火)付MGプレスから)
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