今回は、前回の「死因」と並んで、私たちの健康を脅かす大敵である「要介護の原因」の姿を明らかにします。
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表は、要介護認定を受けている人数と、原因となった疾患上位です。
2019年12月時点で、要介護者は約480万人、要支援者までを合わせると669万人が介護保険の認定を受けています。
認定者数は毎年10~15万人ずつ増加しています。
対策を考えるために要因を分析します。
今回も赤色が生活習慣病に関する病気、黄色は体力低下に関わる項目です。
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第1位は認知症です。
認知症は生活習慣病と深く関連しています。
動脈硬化による脳血管性認知症のみならず、アルツハイマー型認知症も、肥満や糖尿病などの生活習慣病があると2~6倍もなりやすいことが分かっています。
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死因の原因でも上位だった生活習慣病の代表である脳血管障害や心疾患は、やはりここでも上位です。
死因の表と異なる点は、体力低下関連が合わせて30%超と大きな割合を占めることです。
高齢期になると「病気」と同じくらい「体力」が大事になります。
本コラム22回で紹介した「フレイル」を覚えていますか?
健康な状態と要介護の中間で、要介護に至ってしまう前に、早期から対策に取り組んで、危険が迫った状態から「回復」してほしいという願いが込められた言葉です。
赤と黄色を合計すると、84.8%と要介護の原因のほとんどを占めています。
要介護状態を避けるためには、生活習慣病と体力低下対策を始めることが最も効果的なことが分かるデータです。
(2021年1月19日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)
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