患者さんに「将来○○不全になるかもしれません」と話をする際、
私と患者さんの間に、大きな認識の差を感じます。
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私たち医療者は病気の末期に数多く立ち合い、そこに至る段階も知っているため、
健診などの数値の悪い人の将来を予測できます。
そうなってほしくないため「今から気を付けた方がいいですよ」と心から伝えます。
しかし、多くの人は「○○不全」の実感はなく、自分の未来の姿を想像することが困難です。
その溝は仕方ないことです。
このようなときは、その病気を既に経験している患者さんが、
自身の体験を示してくれると最も真実味が伝わります。
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昨年7月に慢性呼吸不全で亡くなられた落語家の桂歌丸さんは、
タバコが原因の慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)と闘病していました。
COPDはタバコにより肺胞が壊れ、空気の通る気管が細くなり詰まってしまう世界の死因第3位の病気です。
歌丸さんは1日50本、タバコを吸っていたそうです。
進行すると、体を動かしたときに息切れがします。
弱った肺で酸素を取り込もうと、体は24時間呼吸を続けます。
常にエネルギーを使うため次第にやせていきます。
やせると呼吸筋が弱まり、さらに呼吸が悪くなります。
安静時でも苦しくなって…と、上昇曲線を描くように悪化します。
歌丸さんが鼻に酸素チューブをつけて高座に上がる姿を見た人も多いと思います。
厚生労働省のCOPD予防に関する検討委員やCOPD啓発大使を務め、
タバコの害と禁煙の大切さを身をもって示してくれました。
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24日はクリスマスイブ。歌丸さんの思いが届きますように。
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(2019年12月24日(火)付MGプレス「健康の見つけ方」から)
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