医良人コラム
20/8/3

第30回 「○○不全」どんな症状?

「心不全ってどんな症状ですか?」と心臓に持病のある患者さんに質問されました。

心臓の主な働きは血液を送り出すポンプです。
その力が弱くなって全身に十分に血が届かなくなると、疲れやすくなったり手足が冷えたりします。
さらに血液がうっ滞すると、肺に水がたまって呼吸が苦しくなったり足がむくんだりします。


このように「○○不全」とは、ある臓器が「全く働かない」状態だけを指すのではなく、
その臓器の働きが低下している状態も含みます。

後者はさらに、まだ症状のない時期と症状のある時期に分けられます。


人間の臓器の働きにはとても大きな予備能力があります。
臓器によってや個人差はありますが、おおまかには臓器の機能が半分以下になるまではほとんど自覚症状はありません。
3割程度までは不調な症状はあるけれど薬などを利用して日常生活は過ごせます。
3割を下回ると入退院を繰り返すようになります。

重要な臓器の機能不全は、末期には自分で自分の体をどうすることもできなくなり、
いわゆる「身の置き所がない」状態となり、そばにいてこちらも切なくなります。


代表は心不全の他、呼吸不全(肺)肝不全腎不全です。

呼吸は酸素と二酸化炭素の交換、肝臓はたんぱく質をつくったり毒素を分解したり、
腎臓は毒素などを尿として体外に排出します。
細胞の生命活動に必要な酸素や栄養を送り届けたり、逆に二酸化炭素や老廃物を体外に出したり分解したりしている臓器が「肝心要」なのです。

 

健康診断などで異常を指摘されても、「症状や痛みがないから大丈夫」と軽く考えて放置してはいけません。

臓器不全の悪化は、正比例のグラフのように一定ではなく、指数関数のグラフのように最初はなだらかですが後に急激に悪化します。

早期からのしっかりとした対策や治療が肝心です。


(2019年12月3日(火)付MGプレスから)

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