子宮筋腫

どんな病気

子宮筋腫は、子宮の筋肉の層にできた良性腫瘍です。

子宮の病気の中では最もよく知られている病気です。

非常に小さな筋腫まで含めると、およそ半数の女性にあると言われています。

年代的には40代に最も多く発見されます。

子宮筋腫の発育には女性ホルモンが強く関係しています。

そのため、卵巣からの女性ホルモンの分泌が多い成熟期の女性は筋腫が大きくなることが多く、閉経後には筋腫も小さくなっていきます。

原因

筋腫ができる原因ははっきりと解明されていません。

家族に筋腫があるという人に見つかることが多いため、なんらかの遺伝的要素があると推測されています。

子宮は筋肉細胞でできていますが、筋肉になるべき細胞が、何らかの理由で筋腫の芽となってしまうと考えられています。

子宮筋腫の発育には、女性ホルモンの一つである「エストロゲン」が関わっていることがわかっています。

筋腫ができる部位によって、3つに分類されます。

粘膜下(ねんまくか)筋腫

内側の子宮内膜に向かって発育したもの

筋層内(きんそうない)筋腫

筋層の中で発育したもの

漿膜下(しょうまくか)筋腫

子宮の外側に向かって発育したもの


日本産婦人科学会ホームページ 「子宮筋腫」 より引用

症状

月経困難症
ひどい生理痛、頭痛、吐き気など

過多月経、過長月経
生理にともなって多量に出血することがあります。

月経時以外の時期に不正出血がある場合には、子宮がんの可能性もあるため注意が必要です。

貧血をともなうこともあります。

不妊症

腫瘍が大きくなると、周りの臓器を圧迫して症状が出ることもあります。

• 排尿障害(尿が出づらい、頻尿など)

• 排便障害(便秘や、残便感など)

• 腹部膨満感や腰痛

検査

内診

画像検査

経腟超音波検査、腹部MRI検査などを行います。

およそ0.5%程度の頻度で、「子宮肉腫」という悪性の腫瘍であることがあります。

一回の画像検査では子宮筋腫と悪性腫瘍を見分けることは難しいこともあるため、定期的に検査を行うことが大切です。

組織診

悪性の可能性が疑われる場合には、必要に応じて腫瘍の一部を切り取って顕微鏡で悪性細胞がないかを調べます。

治療

子宮筋腫があっても症状がない場合や小さい場合には、定期的に検診を受けるだけで、とくに治療は必要ありません。

症状が強い場合や、大きさがこぶし大以上に成長したり、じょじょに大きくなるものは治療が必要となります。

治療には大きく分けて手術療法と薬物療法があります。

薬物療法

ピル(経口避妊薬)
筋腫が大きくならずに、症状も楽になります。

更年期のような症状もありません。

しかし、いつまで続けるのかが問題となります。

偽閉経療法
閉経と似たホルモン状態を作ることで、筋腫が小さくなります。

毎日の点鼻薬と4週間に一回の注射薬の2種類があります。

副作用として、更年期のような症状が出ることがあります。

将来の骨粗鬆症の危険性が上がるために、原則的には半年間しか治療できません。

治療を中止するとまた元の大きさに戻ることが多いために、手術前や閉経が近いさいに一時的に使用する場合が多くなっています。

手術療法

年齢や、全身状態、筋腫の数・大きさ、発生部位、今後の妊娠の予定などによって手術法が選択されます。

いずれの治療法にも長所と欠点があります。

担当の先生から十分に説明をうけて、納得した上で治療を受けましょう。

子宮全摘出術
子宮ごと筋腫をとります。

基本的な筋腫の手術法です。

開腹術、腹腔鏡下手術、経腟式などの方法があります。

子宮筋腫核出術
筋腫だけをくりぬいて、とりのぞきます。

不妊の原因になっている場合や、将来の妊娠を希望する場合に用いられます。

子宮動脈塞栓術
カテーテルを使って、子宮に栄養を送る血管を詰めて、小さくする治療法です。

ホームドクターからのアドバイス

症状のひとつである過多月経は、人と比べることができないために、自分では異常に気づかず放置してしまうこともあるようです。

健康診断で貧血を指摘されたことがある人は、一度は婦人科で筋腫がないかをふくめて、きちんとチェックをしてもらうことをおすすめします。

もっと調べる

参考リンク

日本産科婦人科学会
日本婦人科腫瘍学会
アカデミア・ジャパン 子宮筋腫の正しい知識

初診に適した科

婦人科、産婦人科

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北信

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