更年期障害

どんな病気

更年期障害とは、閉経前後の時期(更年期)に、女性ホルモンのバランスが変化するために、身体的・精神的な不調を起こします。

日本人女性の平均閉経年齢は約50歳ですが、その前後の5年間に現れるさまざまな症状を指します。


         http://madoka-lc.com/menopause/ より引用

およそ半数の女性に起こるといわれています。

最近では、30代ぐらいの若い世代でも増えてきています(若年性更年期障害)。

女性だけでなく、男性にも起こる場合があります(男性更年期障害)。

原因

更年期を迎える時期になると、卵巣の機能が衰えるために、卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンの量が減ります。
エストロゲンの分泌量が減ると、脳は卵巣からエストロゲンを分泌するように促します。
しかし、更年期を迎えた卵巣は必要な量のエストロゲンを分泌することができないために、ホルモンバランスの乱れが起こります。
このホルモンバランスの乱れが自律神経失調症状を引き起こして、体のほてりや発汗などの症状が現れます。


自律神経について

自律神経とは、あなたが意識をしていなくても、「自ら律して」働いていくれる神経のことです。

たとえば、手足は意識をして動かしますが、心臓や胃腸の動きは意識していなくても、動いて働いてくれています。
これは、自律神経が心臓や胃腸を動かしてくれているのです。

自律神経が支配している働き
• 心臓や内蔵をうごかす
• 消化、排便、尿をつくる
• 血圧や体温を調整する
• 血管、瞳孔、汗腺を調整する

自律神経には、交感神経と副交感神経のふたつの神経があり、お互いにバランスを取っています。
この二つの神経の働きが乱れた時に、起こす様々な症状を自律神経失調と呼んでいます。

自律神経が乱れる原因には、ホルモンバランスの乱れ、精神的ストレス、過労などがあります。
更年期障害の原因は、ホルモンバランスの乱れだけが原因ではありません。

この時期の女性は、子どもの独立や親の介護などによって、急激に生活のリズムや家庭環境が変わる時期でもあります。
その急激な変化による精神的なストレスや、職場でのストレスなどが加わることによって、更年期障害の症状が影響を受けます。

症状

更年期の症状には個人差があります。
更年期を迎えても症状がほとんど気にならない人もいれば、つよい症状によって、日常生活もままならない人もいます。

【主な症状】

身体的な症状

=自律神経失調によるもの

・体のほてり、のぼせ、ホットフラッシュ

・手足の冷え、むくみ

・発汗

・動悸、息切れ

・頭痛、肩こり、腰痛、関節痛

・めまい、耳鳴り

・目の疲れ、口のかわき

・吐き気、便秘、食欲低下などの胃腸の症状

・頻尿など膀胱の症状

精神的な症状

・イライラ、ゆううつ

・不眠、不安感

・集中力低下、無気力

・疲労感

検査

血液検査

血中のホルモン濃度や、その他の病気がないかを調べます。

心理検査

心理状態に異常がないか調べます。精神疾患が疑われる場合に行います。

その他、症状ごとに、似た症状を起こす疑わしい病気を調べる検査を行います。

 

治療

更年期障害の程度は、本人の性格、精神状態、周囲の環境などから影響を受けます。
まずは、生活習慣・生活環境の改善をはかることが基本になります。

<主な治療法>

ホルモン剤による治療

(ホルモン補充療法)

・エストロゲン製剤を補充します。

その他の治療

・自律神経調整薬を使用します。

・漢方薬や抗うつ薬、抗不安薬などを必要に応じて使用します。

・カウンセリング

・運動療法

近年、ホルモン補充療法による乳がんや血栓症の増加が指摘されています。
使用した場合のメリット・デメリットをよく検討する必要があります。
かかりつけ医の先生とよく相談をしましょう。

ホームドクターからのアドバイス

更年期障害は、誰にでも起きる生理的なものといえますが、できれば軽く済ませたいものです。

<更年期障害を軽くするポイント>

規則正しい生活をおくる
• 栄養のバランスがとれた食事をする
特にカルシウムやビタミン類を多くとる
• 十分な睡眠をとる
• 適度に運動をする

気持ちの持ち方
• 気分転換になるような趣味や娯楽を持つ
• 物事にこだわらず、くよくよと考えないようにする

もっと調べる

参考リンク

日本医師会
日本産婦人科学会
日医ニュース

初診に適した科

婦人科、内分泌内科、漢方科

頼りになる病院

かかりつけ医を持ちましょう。
まずはお近くのかかりつけ医の先生にご相談ください。
北信

長野市 篠ノ井総合病院

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